検索窓
今日:27 hit、昨日:9 hit、合計:17,792 hit

ページ16

好きになったと自覚したのは割と早かったと思う



けれど彼女も俺も同じ隊。
隊内恋愛なんてしてもろくな事にならないし、何より三輪が許さないと思った。


反抗的な癖に根は真面目そのもの。
恋愛なんて1mmも興味無さそうな隊長



そんな奴がボーダーの規定を破ってまで6人目を迎えると言い出した時は流石に驚いたが、三輪の様子を見る限りAがよっぽど欲しかったらしい



親子のような、
親友のような、

2人はそんな関係値



そう思ってた。






……いや、そう自分に思い込ませてた。






だから隊の中でぐらい俺を1番に男としてみて貰えるように彼女の趣味や行動や広報もチェックして


“お茶が好き”そんな共通点を見つけた時どれだけ嬉しかったか




隊室でよく紅茶を啜る姿を見かけ、給湯室を確認すれば彼女が用意したであろう茶葉がまとめられたボックスを見つけた。

その中に入っていた種類を確認し、彼女好みの味や香りを考察したりもしたな。




さりげなく彼女が好きな紅茶を出して微笑んでもらう。



そんな妄想をして感じる幸せを1人噛み締めた





_______________



……そんなのどかな日常でも障害があった


彼女との問題ではなく、
単に俺の問題



ボーダーに入隊して以来狙撃手として活動し、新人王争いで注目されながら越えられない壁にもがき苦しんだ




“天才”


そんな言葉が相応しい1位は練習さえろくにしないのに圧倒的なセンスで型破りな狙撃をする


どんなに努力しても俺は“才能があるやつ”で止まり、あの人の領域までは行けない




段々周囲も俺を見限るようになり自分の限界を悟り始めた





諦めの境地に立ち、疲弊しながら隊室で1人で書類仕事をしていた時_____




『お疲れ様』


そんな柔らかい声が聞こえた。

突然の登場に動揺する心を押さえ込み、平然を装って2、3言の会話を交わすと彼女はわざわざ俺の分までハーブティーを淹れて隣に座る


隊室、しかもソファで2人きり。


この大きすぎる好機に何を話そうか、と必死に頭を回していると最初に口を開いたのは彼女の方




『…ねぇ』



 「どうした?」



『失礼を承知で聞きたいんだけど』



「?…あぁ」





あまりにも神妙な話し方に何を言われるのかと身構えた瞬間


とんでもない爆弾が落とされる











『奈良坂って告白断る時どうしてる?』













……は?

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
108人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:八月蝶 | 作成日時:2023年3月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。