scar ページ29
元は白かったであろうワンピースを脱いだ少女を見て思わず絶句した。
『君、この傷………あの人たちにやられたの…？』
「ん……」
肯定、ということでいいのだろうか。
服の下には想像以上の傷がついていた。
打撲痕、殴られたり蹴られたりでもしたのだろうか…他にも斬りつけられたであろう切り傷、やけどした皮膚、首を絞められた跡がある。
『今、痛いところを全部教えてくれる…？』
怖がらせないように気を付けながら目線を合わせて言う。すると少女はこちらを向いて言った。
「全部……痛い…
ここも、こっちも…これも痛い…。」
『そうだよね…ごめんね…
私は炭枝って言うの。君の名前は…？』
「………リーラ…」
『リーラちゃんね。
…よし、リーラちゃん、傷が痛いかもしれないけどお風呂、行こっか。』
とりあえず傷口を清潔にしなければ治療も何もできない。それにこの子だって女の子だ。清潔にしたいだろう。
「…うん。」
·
『ごめんね…痛く無い…？』
石鹸をお湯で流しながら問う。ちなみに私は黒目黒髪のまま入ってる。
「うん、大丈夫…」
リーラちゃんはしっかりきれいにすると見違えるほどきれいになった(語彙力…)
私とは違う、艶のある黒髪に緑色のビー玉みたいな目。超絶かわいい。
ただし怪我はやはり酷かった。一部は血が固まっていたところもありそれは取ることができたのだがアザや残っている傷跡は当たり前だけど取れない。
『リーラちゃんは今何歳？』
「十一歳…。
………お姉ちゃんは、私をお母さんのところに……返してくれるの…？」
『……！もちろん。
さっきの金色の髪をしたお兄ちゃんも言ってたでしょ？必ずお母さんのところに帰れるよ…！』
「っ…！！ほんとうに…？ほんとに…帰れるの…??」
今になって自分が家に帰ることができることがわかったのか、初めて涙を流した。
『大丈夫だよ。ほんとに帰れる。
だから今は今まで辛かった分全部泣いちゃいなよ。』
すると今までの分を吐き出すように大きく泣き始めた。
「いだかった……みんなに殴ってぎてね……タバコおじづけ、られたりしたり、ね、剣できら、れたりね、された…。怖かっだよぉ〜〜〜！！！」
『………大丈夫だよ。もうここにはリーラちゃん達を傷つける人は誰もいないから、ね…？』
「っ〜〜〜〜！！！ゔんっ…！！！」
そうして落ち着くまで背中を一定のリズムで優しく叩いていると泣きつかれたのか、緊張の糸が切れたのか、ぐっすりと眠ってしまった。
Healing→←The kidnapped children ※血の表現があります。
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SAE(プロフ) - 温かいコメントありがとうございます！また更新を再開していくのでよろしくおねがいします！ (2021年9月13日 22時) (
レス) id: f4f2db1514 (このIDを非表示/違反報告)
くるくる天パ(プロフ) - イッキ読みしてしまいました！更新待ってます (2021年9月13日 19時) (レス) id: a9d2b1df51 (このIDを非表示/違反報告)
AKI - あの、めっちゃ面白かったです！また更新されるの待ってますね！！ (2021年8月7日 17時) (レス) id: c35f4a2da6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SAE | 作成日時：2021年3月25日 16時
