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The kidnapped children ※血の表現があります。 ページ28

「さっきは助けてくれてありがとうな。」

さっき話していた時とは打って変わったような笑顔、いや、さっきも笑ってはいたんだけど何というか、こう、ね??(語彙力…)

『いえ、全然…むしろ投げた短刀拾ってくださりありがとうございました。』

「ああ、その短刀か。
えっと…炭枝…だったな。あとで聞きたいことがあるから'これ'が終わったらコアラと一緒に俺の部屋に来てくれ。」

『分かりました。ですが'これ'私にも手伝わさせてください。』


目の前の光景に強い怒りを覚えながら拳を握ってやり過ごす。
こんな事ができるなんて…人がやることじゃない…!!


「これはっ…酷いわ…!!」


大きな部屋にいくつもある檻。その中には本来入るべきでは無い"ヒト"が白い服を着て入っている。
白い服、と言ってもおそらくだ。
散々暴力を振られたのだろう、ところどころ、どころかいたる所に血がついている。中にはだいぶ前のものなのかもう黒く変色しているものもある。

どこの檻にいる子達も生気のこもった目をしていない。この世の全てに絶望したような、昔の自分のような………


「…!炭枝!炭枝!!」

『っ!ど、とうしたんですか?』

「大丈夫…?ぼーっとしてたみたいだけど…

はい、サボくん。鍵、持ってきたよ?」

サボさんに呼びかけられ意識が戻ってくる。
いつの間にかコアラさんが鍵を持ってきてくれたようだ。

「おう、ありがとう。



なあ、お前ら…!」

コアラさんに短く礼を言うと檻の中にいる子たちに向かって話しかけた。

「俺たちは革命軍だ。
お前らを開放する…!!


俺たちはお前達に危害を加えない。
きみたちの故郷に必ず送り届けることを約束する。
鍵はすでに開けた。帰りたい奴らは俺たちについて来い!」

凄い…
これがサボさん、いや、革命軍、なんだ…。







·


 




「全員、服着がさせねぇとな。
それと…怪我の治療だな、とりあえず。」


少し忙しくなるな、とサボさんが呟く。


「悪ぃが炭枝のことは後になりそうだ」

『いえ、全然。お構いなく、っていうかこの子達の治療手伝っていいですか?』

「それは…助かる。この船に女の子を見れるやつがいなくて困ってたんだ。お願いできるか…?
ホントは客人のはずなのに…ほんとにすまねぇ…」

『好きでやってるので、大丈夫です!』


一通りの治療器具を受け取り私ができそうな怪我の手当をしていく。サボさんは退出した。

『お嬢ちゃんごめんね?服、脱ぐか上げてもらっていいかな…?』

「………」

見る限りまだ十歳ほどの少女は無言で服を脱ぎ始めた。

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SAE(プロフ) - 温かいコメントありがとうございます!また更新を再開していくのでよろしくおねがいします! (2021年9月13日 22時) (レス) id: f4f2db1514 (このIDを非表示/違反報告)
くるくる天パ(プロフ) - イッキ読みしてしまいました!更新待ってます (2021年9月13日 19時) (レス) id: a9d2b1df51 (このIDを非表示/違反報告)
AKI - あの、めっちゃ面白かったです!また更新されるの待ってますね!! (2021年8月7日 17時) (レス) id: c35f4a2da6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SAE | 作成日時:2021年3月25日 16時

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