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｢ち…違うよ!!
僕は───｣
｢もういいですよ。
今まで、どうもありがとうございました。
もう…無理に話さなくていいですから｣
この場から離れようと米津さんに背を向ける。
……顔を俯かせたまま。
｢A!!話を聞いてよ!!｣
それを阻止するかのように、
米津さんは俺の手首を掴む。
煩い…もう俺に構うな……
頼むから………
……優しくしないでくれ…
｢もう…もう要らないんですよ!!
同情とか……優しさとか…
俺には…不必要なんですよ!!
聞いた時だって…
｢可哀想｣とか、｢辛そう｣って
偽善な感想しか湧いてこなかったでしょう!?
お願いですから……もう構わないでください…。
…俺に……優しさなんて与えないでください｣
本当に終わった。
勝手に、俺が八つ当たりしてるだけじゃないか。
………この人は…悪くないのに。
ずっと、これを望んでた筈なのに…。
この人が俺に抱いてたんじゃない。
本当は俺が、勝手にこの人に…
米津さんに……特別感を抱いてたんだ。
それを勝手に、｢特別感抱かれてる｣なんて。
馬鹿な勘違いをしてたんだ。
さあ早く…手首を掴んでる手を離してくれ。
お願いだから…これ以上居たら───
｢待って!!僕の話も聞いてよ!!｣
｢だからっ……もう構うなって───｣
そう言いかけると、掴まれていた手首を引かれ、
気づくと、米津さんと向き合う形で、
抱きしめられていた。
いつもと違って…優しく、俺を包み込む様に。
｢……‼｣
｢A。お願いだから、僕の話も聞いて｣
米津さんは優しい声色で言う。
｢確かに、Aの過去を聞いた時は…
｢可哀想｣だなって、｢辛そう｣だなって。
そう思ったよ｣
｢……だったら…｣
｢まだ話は終わってない｣
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作者名：朔月α x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/
作成日時：2018年9月11日 20時
