3.出遭い ページ3
.
｢そういえばあんさん、名前は？｣
｢……ぁ、A｣
呂律含め、体は大分回復してきた
｢A、やな！｣
大きな声で復唱される
嘘は無駄な気がして、正直に名前を教えてしまった
｢…A、気づいたら庭先で倒れとったやんか。この世界でニンゲン見たの初めてやったし……どうやって来たん？｣
…どこから突っ込めば良いのかわからない
庭先で倒れていた？
私の記憶が確かなら、最後にいた場所は不気味な森の中だ
この人狼が嘘をついている可能性が高い
…駄目だ、疑心暗鬼はやめよう
｢気づいたら変な森にいて、そこから記憶がないです｣
｢…成る程なぁ｣
取り敢えず、人狼…ロボロさんにあったことを全て話す
彼は何故か納得したような返事をした
何か事情を知っているのだろうか
｢…他には？｣
他に…
強いて言えば、最後に聞こえた鈴の音が気になった
幻聴だったのかもしれないが、一応話してみる
｢…気を失う前に鈴の音が聞こえたような気もします｣
｢鈴の音？妖術の類か｣
妖術…
確か、人狼は妖術を使えると聞いた
もしや、この呪いはロボロさんにかけられたモノでは…？
｢お、俺ちゃうで？！ そもそも俺はニンゲンを襲うタイプの人狼じゃのうて、普通に動物を捕まえて食べる方やから。というかAは持ってた武器からして狩人やろ？ そんな相手にこっちから攻撃なんてせぇへんよ｣
少し睨むと全力で否定に入るロボロさん
確かに、捕食対象が人間なら今ここで私を噛まない理由がない
｢鈴の音が聞こえたんやろ？ もしかしたらそいつがAに呪いをかけた犯人かもしれん。つまりそいつ捕まえて呪いを解かせれば全て解決っちゅうことや｣
…簡単そうに言っているが、実質不可能な気がする
これほどまでの少ない情報で犯人を特定するのは極めて難しい
｢…っ｣
先程の苦しい思いが蘇ってくる
幸い何かを口に含めば回復するらしいが、野生に生きていく中ではあまりにリスクが高すぎる
…この問題は解決できるのだろうか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 368人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
へる(プロフ) - るんぱっぱさん» コメントありがとうございます！不定期ですがこれからも応援よろしくお願いします！！ (2022年7月27日 20時) (
レス) id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
るんぱっぱ - めちゃくちゃ好きです!!!更新待ってます!!! (2022年7月27日 18時) (レス) @page21 id: c984097aec (このIDを非表示/違反報告)
へる(プロフ) - きうさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！！ (2022年6月29日 20時) (レス) @page11 id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
きう - あ、すごい好きです、はいw めっちゃもう好きすぎて爆発しそううです（？） 更新頑張ってください！！！ めっちゃ応援してます！！！！ (2022年6月28日 0時) (レス) @page10 id: 9c9fedb973 (このIDを非表示/違反報告)
へる(プロフ) - 宮村さん» コメントありがとうございます！ストーリー気に入ってもらえてとても嬉しいです😊 (2022年6月25日 20時) (レス) id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：へる | 作成日時：2022年6月24日 0時
