14.根が悪魔 ページ14
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……苦い
謎の不快感によって目を覚ます
ゆっくりと目を開くと、見慣れない天井
横を見れば、刺激の原因らしき液体が置いてあった
……これを飲まされたのだろうか
__
｢あ、起きてたんや｣
｢…助けてくれてありがとうございます｣
しばらく布団の上でじっとしていると、部屋の奥から例の魔物が現れた
無理やり体を起こし、一応礼を言う
｢ん、もっと感謝せぇ。俺はシャオロン、野生犬や｣
調子にのってシャオロンと名乗った魔物
シャオロン、という単語にどこか懐かしさを感じた
｢なあ、ニンゲンは"レモン"好き？｣
｢…甘いやつは好きです｣
そっか、と呟いたシャオロンさんは不意に自身の手を私の顔に近づけてきた
爽やかな香りが鼻を刺激する
｢ニンゲン、お前のためにわざわざ絞ったんやぞ、全部飲め｣
｢…これをですか？｣
どうやら謎の液体の正体はレモン汁だったらしい
しかし、砂糖も使われていない絞っただけのそれは、ただただ渋い液体に過ぎない
それを全て飲み干せなど、もはや拷問の域だ
｢そっか……ニンゲンは我儘やな｣
あからさまに嫌な態度をとったせいか、少し不機嫌になるシャオロンさん
｢じゃあニンゲン、どんなリョウリが食べたい？｣
｢……｣
その"ニンゲン"って呼ぶのやめてほしい
｢…A、やな｣
何度も私の名前を唱えられる
｢ピンバッジ、拾ってくれたんやろ？ Aって優しいな……それに比べてアイツは、Aからこれを奪った挙句でかい滝壺のある川に捨てやがって…｣
…それを拾いに行ったのか
滝壺なんて容易に死者を生み出してしまう場所だ
アイツ、とはおそらくゾムさんのことだろう
彼らは知り合いのようだが、なんとなく互いに殺意が高いような気がする
｢魔石のことやけど、俺は嗅覚が並の魔物より鋭いから効かへんねん｣
思い出したかのように話題を変えたシャオロンさん
魔石、と言われて目線を下げる
……ない
｢あ、ちなみにあれ持ってるとゾムに追跡されてまうんよ｣
｢…今どこにありますか？｣
｢捨てといたで、滝壺に。｣
…なかなかいい性格しているな
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へる(プロフ) - るんぱっぱさん» コメントありがとうございます！不定期ですがこれからも応援よろしくお願いします！！ (2022年7月27日 20時) (
レス) id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
るんぱっぱ - めちゃくちゃ好きです!!!更新待ってます!!! (2022年7月27日 18時) (レス) @page21 id: c984097aec (このIDを非表示/違反報告)
へる(プロフ) - きうさん» コメントありがとうございます！応援とても励みになります！！ (2022年6月29日 20時) (レス) @page11 id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
きう - あ、すごい好きです、はいw めっちゃもう好きすぎて爆発しそううです（？） 更新頑張ってください！！！ めっちゃ応援してます！！！！ (2022年6月28日 0時) (レス) @page10 id: 9c9fedb973 (このIDを非表示/違反報告)
へる(プロフ) - 宮村さん» コメントありがとうございます！ストーリー気に入ってもらえてとても嬉しいです😊 (2022年6月25日 20時) (レス) id: 0fe9e0073c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：へる | 作成日時：2022年6月24日 0時
