俺に落ちるまで 9【及川徹】 (ページ10)

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407話ページ10

及川さんの背中に顔を埋めてぎゅっと強く抱きしめると及川さんがくるっと私の方に向き直った

及｢そんな顔しないで｣

｢すぐ帰ってくるから｣と及川さんも泣きそうな顔をしていた。

あ｢どれくらいいるんですかっ｣

及｢…6年かな｣

あ｢そ…うなんですね｣

｢アルゼンチン代表選手としてプロになる予定だからまずは国籍を取らないとなんだよね｣と笑っていた

及｢アルゼンチンの代表選手になったらあいつらを絶対に倒すって決めてるんだ｣

及川さんの言うあいつらはきっと日向くんとか影山君あたりだろうなって思った

あ｢応援してます｣

及｢ありがとう｣

及川さんの目が見れずにただただ抱きしめてる私の頭上から及川さんが私の頭を優しく撫でながら話し始めた

及｢3年経ったら日本に戻るつもりでいるんだよね｣

あ｢…｣

及｢…Aちゃん｣

何も言わない私を心配しているのか及川さんが私を急に抱っこしたからびっくりした

あ｢！…お、及川さん｣

及｢プロのバレー選手になって日本に帰ってきたら俺はAちゃんにプロポーズする｣

いきなりの発言に私の目はきっと目玉が飛び出しそうなくらいびっくりしてるかもしれない

きっとこういうのってサプライズか何かだと思ってたけど、及川さんの真剣な目を見て本気だということがわかった瞬間私は及川さんから逃げるようにリビングへと走っていった

及｢ふふ。やっぱ言わない方が良かったかな｣

この後私は恥ずかしくなった赤い顔をいち早く及川さんに見つかる前に隠したくて台所に行って及川さんの家にある冷蔵庫を勝手にあさって、フレンチトーストと豆腐バナナケーキを作った。

及川さんが匂いにつられてやってきたみたいで｢めっちゃ美味そう｣と言いながら私の肩に顔をのせて見ていた。｢もうできてるので食べましょ｣とにこっと笑いかけるととても嬉しそうに座って一緒にいただきますをして食べた。

朝ごはんを食べた後はテーマパークに行って遊んで疲れた。
今日の夜は私の家に泊まって鍋パーティーを楽しんだ。

洗い物を及川さんと一緒にしてる時に私の袖が落ちてきた時に、及川さんがそっと私の背後から袖を上にあげてくれた。

｢なんか俺ら新婚さんみたいですね〜｣なんて私の耳元で言うもんだから洗い物に集中できなかった。

｢Aちゃんのご飯は俺を幸せにしてくれる｣って言いながらキスしてくる及川さん、めちゃめちゃずるくないですか。