俺に落ちるまで 5 【及川徹】

244話 ページ47

松｢そっか、ならいいけど｣

｢なんかあったらすぐ言うんだよ｣と言って最後のタオルを私に渡して練習に戻って行った松川さんだった




あ｢はぁ…しっかりしないと｣



その後は何とか気を取り直し、最後までこなせたから文句はないだろうと思ったけど色々な失態が蘇ってくるから結果文句だらけになってしまった






〜帰り道〜


部活が終わり、帰り支度をしている皆はそれぞれ帰って行った


私はと言うと、後片付けをしていた。



及｢Aちゃーん、一緒に帰ろ！｣


棚の上にノートを置いていると及川さんに声を掛けられた



あ｢あ、はい、帰りましょ！｣

笑顔でこたえたけど、上手く笑えたかどうかは分からない


及｢じゃあさ、今日ちょっとだけ寄り道して帰らない？｣

あ｢え？｣

及｢学校の近くにあるクレープ屋さん！まだやってると思うから食べに行かない？｣

｢疲れた時は甘いものだよね〜！｣と多分今日のやらかした失態を慰めようとしているのが伝わった


あ｢あの、今日は色々とすみませんでした｣

頭を下げると及川さんが｢大丈夫だよ？俺ら気にしてないし！ってかいつも俺らの為にやってくれてるんだから！｣って言ってくれたから泣きそうになった



及｢今日、何かあった？｣

手を繋ぎながら及川さんが不意に聞いてきた



あ｢えっと、聞いていいかわかんないですけど…｣

及｢いいよ、言って｣

｢Aちゃんが不安になってることあるなら俺、それなくしたい｣って握ってる手に力を入れる及川さん




あ｢あ、あの、今日の放課後の部活で着替えに行こうとした時に｣

及｢うん｣


あ｢女の人とぶつかったんです｣

及｢え、大丈夫だった？｣

あ｢大丈夫は、大丈夫なんですけど…｣

及｢う、うん｣



あ｢仁科みゆきさんっていう美人な先輩に会いました｣


歩いていた足を止めて及川さんの目をまっすぐ見た。及川さんは、その人の名前を聞くと少しだけ目を泳がした


あ、やっぱり元カノだったんだなって思った



及｢あー…みゆきちゃんに会ったんだ｣


私から目を逸らしながら言う及川さんにもしかしたら私よりその人の方が好きだったりとかっていう嫌な気持ちが出てきてしまう

あ｢元カノ…だったんですか？｣


震える声で聞くと、及川さんがこう言った



及｢いや、彼女じゃないよ。あの子と俺高１から噂されてたんだよね…｣

噂…？私はなんの噂か気になって、｢なんの噂ですか？｣って食いつくように聞いた

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