俺に落ちるまで 【及川 徹】

6話 ページ7

Aside

正直、びっくりした。
だって、こんな私なんかをマネージャーにしたいって…
ありえなさすぎて現状を受け止めきれない

今日は購買で、苺ジャムパンを買えて嬉しい気持ちのまま食べたかったのに…

及川さんが来なければ矢巾くんと、花菜と楽しくお喋りしていたはずなのに…


でも、またバレーを見れる。また、バレーをしている姿を見れるって思ったら、少しだけ嬉しい気持ちもあった
だけど、今は…やりたくないって素直に思ってしまった
去年、私と花菜で一緒に及川さん達の試合を観にいったこともあったっけなぁ…


いつもキラキラして、取り繕いのない笑顔、みんなに愛されている彼、バレーに関しては人一倍執着がある及川さんを見ていいなぁって、思った。だって、あんなにも楽しそうにバレーをやっている姿を見ていたら、私だってって、そう思ったから…


花｢こんな後ろからじゃ見えないじゃん｣

その日は青城が試合をすると聞いて、観に行ってみたくて花菜を誘った

目立つ事が嫌いな私はわざと前の方ではなく後ろの方で及川さん達の試合を見ていた
だって、可愛い女の子達の間に私なんかが入ってはいけないと思ってしまったから…花菜には、前で見ていいよとは言ったけど

花｢何で？｣

何でって…そりゃ、私なんかより可愛いし、こんな地味でブサイクな私と隣に立っていなくたっても大丈夫なのに

花｢Aから誘ってくれたの嬉しかった｣


私が黙っていると花菜が突然こんな事を言い出した

花｢いつもさ、私から買い物行こ！とか、今日帰りどっか行こ！とか、明日遊ぼ！とかさ、全部私から誘ってたから、今日バレーの試合私と行きたいって行ってくれた時何か、すごいっ…嬉しかったの！｣

眩しいくらいの笑顔を私に向けて本当に嬉しそうに私に向かって話してくれている花菜を見ていると、あぁ何だ、私のこんなくだらない理由を花菜に押し付けているのが申し訳なくなってしまった


花｢まぁ、後ろから見るのも悪くないね！｣


去年の事なのに今でも凄く私にとってはいい思い出だった。もしこの時、中学の私だったら絶対に前で見ていたかもしれないと思った



どうしよう、及川さんがニコニコしながら私をずっと見ている


どうして私なんだろう、私なんかよりもっと相応しい子がきっといるはずなのに。よりにもよって、何故私なのだろうか不思議で仕方なかった


なんて言えばいい？なんて言うのが正解？冷たく言う？それともはっきり嫌だって言った方がいいの？

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