自称ブスは変わり者3 (ページ7)

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105話ページ7

あ｢ちょっと急すぎるんだけど｣

治に合宿の事を聞かされて内心焦るし、まだ行くかどうかも曖昧な私はそんなにすぐには答えが出せないでいた…。

もし稲荷崎のマネだったら即答で行くって応えるつもりだったけど、私は違う高校のマネだし…

考えとくとか言っときながら、本音は東京の合宿に行こうとしている自分がいる…

治｢俺も忘れてたわ｣

すまん、と私に謝る

あ｢全然いいけど、明日までに答えが出るかどうかは私自身分からない｣

治｢…｣

そんな大切な話もっと早くに言ってほしかったという少しの苛立ちがあったけど、治も合宿が終わったばっかだったから、疲れもあって次の合宿の事まで頭が回らなかったんだと思う

でも、早く決定を出さなきゃいけないのは変わらないし、私の行く行かないで皆の迷惑にはなりたくない

そんな私の息詰まった顔をした姿を見た治が口を開く

治｢北さんには俺から言うとく｣

あ｢え、何を言うの？｣

治｢お前が行かんこと｣

あ｢え、ちょ、まだ何も言ってない｣

治｢言わなくてもお前の顔見てれば分かるわ｣

嘘…私、そんな顔してた…？
私が稲荷崎に来た理由は、皆が春高通過できる間のみ

でも、やっぱり…"会いたい"

あ｢北さんには自分で伝えるから大丈夫｣

駄目だ、こんなの私の我儘だ

稲荷崎は春高優勝候補と言われているから私が居なくても大丈夫ってどっかで思ってる自分がいるのが嫌だ

あ｢ほんと、大丈夫だから｣

治｢お前、こっち来て自分のこと話すようなったと思たら全然そんなことないやん｣

あ｢…へ？｣

治｢自分の気持ちに嘘つくな言うてんねん｣

そんなの、自分が一番よく分かってる

だって、それを理由にして断る自分がずるすぎて嫌になる

治は会った時からそうだった…侑とは違って落ち着きがあって何かを見定めるようなそんな雰囲気を纏った治が最初はよく分からなかった…

でも、そんなの最初だけで、今は優しいなって思ってる

あ｢嘘なんてついてないし｣

もう家近いから大丈夫、ありがとうと言って帰ろうとすると腕を引かれた

治｢大丈夫やないのに大丈夫なんて言うなや｣

あ｢…と、く、…かった｣

治｢何や？｣

私の気持ちを言うまで離さないと私の腕を引く治の手が強ばった気がした

あ｢だったら、もっと早く言ってほしかったっ｣

絞り出すように、震えた声で治に言い放った

あ｢っ｣

こんなにも感情的になったのが初めてで自分でも驚いている