勿忘草の丘 ２.【オリジナル長編物語】

53話 繰り返す時間割 ページ8

そんなこんなで学校が終わる金曜日、今日は地獄の全教科。

明日が終われば土日だと、信じて教室まで歩く。学校の鞄はパンパン。

一矢も頑張って鞄を持ち上げていた…… 可哀想に。

今度は左肩が脱臼しそうだ。



「さっき見たんだぜ、白いあいつ。いきなりこっちに来てさ」

「私、そいつから色々聞いた。日曜日に会いに行く」

「まじか！？ 俺も行きたいなー 幽霊じゃなかったかー」

「うん」



幽霊はいないけど、魔女はここにいるよって、言いそうになった。

しかも、どこか誇らしげに。

他の人間とは違うという特別な感じが、私の心の中にも少なからず残っていたんだろうか。

でも私、嘘偽りなく素直に伝えるのって苦手だし、その上勇気もない。

一矢の汚れのない純粋な茶色い瞳が、私のドス黒い瞳を掴んで離さない。

やめてよ、また頭が痛くなる。

苦しさが広がっていき、心臓を中心に肺、肩、腕、肘、手首、指先まで。視界も暗くなってきた

が、私は頑張って堪えた。さすがにここで倒れるわけにはいかない。

何か、思い出せる。保健室に行く前までの出来事が、思い出せる。

私はもう人間じゃない事。家族同然の二人を疑った事。自分がひとりぼっちという事。心配にな

って、この世から消えたくなって、もう一度人生をやり直したくなって。

そのせいで倒れたんだ。



「どうしたんだよA、また顔色悪いぞ」

「別に」

「別にじゃねえよ。なんかあったら俺に言えっていつも」

「じゃあさ、一矢は私がどんな奴でも話を聞いてくれる？」

「……は？ どういう事だよ。AはAだろ？」



あぁ、ついカッとなって言ってしまった。

きっと、一矢は言葉の意味を理解できていないだろう。

意味を理解できていないから、今ここにいるんだろう。

なら、私はどうするべきだろう。

結局何も変わらないまま、校舎へと入っていった。

いつになったら、彼に悩みを打ち明ける勇気を持てるようになるのかな。

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キャラの最近つぶやき【２.】編

雷華 「最近暇すぎて百合亜の人形で寅と遊びだす夕食後の自由時間。」

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