【銀魂】シチュエーション【短編集】

銀さんと日記帳(中)の(中) ページ10

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『9月20日
ダメだった。彼に会った後に今これを読んで、書いている。知らなかった。まさかあんな不真面目な人が命の恩人だったなんて。
話し相手になってくれたのは良かったけれど、パチンコや競馬で玉砕した話だった。
でも、内容はともかくとても面白かった。センスがあって、冗談が上手くて、面白い人だった。
ギャンブル好きのダメダメさんかと思ったけど、この日記を読んで、人の命を助けてこうして毎日会いに来てくれる、真面目で優しい人だと分かった。
ちょっと安心した。
彼に助けてもらったのは、本当に不幸中の幸いだな。』


『9月21日
あー、どうして私は何度も同じ事を繰り返すんだろう。さっき会った人が私の命の恩人だったなんて、何度繰り返せばちゃんとお礼を言えるだろう。明日は絶対にこの手帳を読もう。
それから、頭の治療が怖い。もう少しかかるそうだ。いつになったら家族が迎えに来てくれるんだろう。』


『9月22日
今日はどうやら初の成功らしいね。銀さんに会う前に日記帳を読んだから、彼と弾んだ会話ができた。

すごくいい人だった。今までの私が書いてる通り、話術に長けていて、気さくで、本当は面倒見のいい優しい人だった。毎日来てくれてありがとう、とか、助けてくれてありがとうって何度もお礼が出来た。銀さんは照れてたけど、そんな所も可愛かった。
昨日の私、ちゃんとお礼言えたよ。
頭の治療が終わるまでこの病室は出ちゃいけないんそうだ。』


『9月23日
今日は失敗したらしい、銀さんという人には会えなかった。来た形跡はあるけど、寝過ごしたせいで会えなかったのだ。
机に置いてある紙袋に付箋がついていたんだけど、『愛しのあなたへ』だって、これって冗談だよね？
中にはジグゾーパズルが入ってた。暇つぶし用だろう。嬉しい。
日記に書いてある通りなら、ぜひ会ってみたかった。
でも今日の私は今日までらしい。何だかそれって凄く寂しい。生まれては死ぬ、を一日で繰り返してる気分。』


『9月24日
成功した。けど、お医者様にこっぴどく怒られてしまった。私がこれを事前に読んだせいだ。
銀さんとの会話が楽しくて、彼が帰る際、名残惜しくなった私は思い切って病室を飛び出したのだ。
銀さんの後ろ姿を探しているうちに看護師さんにバレて即連行された。
早く彼に会いたい。どうしよう、、これって恋かな。でも今日の私は今日で死んでしまう。
あ、この日記帳、絶対に銀さんに見せたらダメだよ。恥ずかしいから。』

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