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十五夜の月【高杉】(中) ページ15

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「あの、そのような格好では風邪をひいてしまいますよ。近頃の秋の夜風は冷涼ですから。」


つい出たお節介な言葉にハッと口を押さえるも、彼は特に不快な様子は見せず、ふっと笑って答えた。



「酔ってる時に当たる夜風ほど気持ちいいもんはねェよ。そこの酒、一杯注いでくれ。喉が渇いてきた。」



彼に頼まれた通り酒をお猪口に注ぎ、それを持って彼の隣に座ると、献上するように両手で持ち上げた。



「どうぞ。」



「ああ、」



彼は顔だけ猪口に近づけたせいでバランスを崩し、ぐらりと私の方へ倒れ込んだ。



その弾みで持っていた酒は畳に零れてしまった。



「お、お客様、大丈夫ですか?」



近くなった彼の顔を見た瞬間、私はとある写真に写った少年の顔を思い出した。





その少年の名は高杉晋助。




昔、私の婚約者になる予定の一人だった。




裕福な家系に生まれ、将来有望な夫にめとられる事が義務付けられた私は、幼い頃から厳しい教育を受けてきた。




それが嫌になって飛び出したある日、一人の少年に出会った。



境遇の似通った彼に親近感を覚えた私は、一日で彼と打ち解け、その日の内に惚れてしまったのだ。





それから私はどうしても彼がいいと両親に頼み込んで、縁談を受ける事になったはずだったが、

その前に当の晋助さんが一家に勘当されたとかなんとかで、結局破談になってしまった。






そのまま私は別の名家のご令息と結婚したものの、

晋助さんへの揺るぎない想いを秘めたまま愛せない人を愛する日々が耐えられなくなり、家出をした。



それから六年の月日が経ち、私はこの江戸で屋形船の仲居として働きながら何とか生計を立てていた。






心の内でずっとお慕いしていた晋助さんと、まさかこんな形で再会するとは、夢にも思ってなかった。






そして、片目を包帯で巻いた晋助さんのなお美しい顔が、私の胸を締め付けた。随分変わってしまわれた、と。





あの一日限りの笑顔を今でも鮮明に思い出せる。






きっともう二度と会えないと思っていたから、

あまりの嬉しさに感極まって、涙が頬を伝うのが分かった。






それなのに、








それなのに、









「お怪我ございませんか?」



顔を逸らして泣きながら言う言葉ではないな、と心の中で自虐的に笑った。




すると、様子のおかしい私に晋助さんは優しく声をかけた。

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のと丸(プロフ) - メローネ大好き少女さん» 誠に申し訳ありませんが、ただ今リクエストは受け付けておりません。ご了承願いますm(_ _)m (2019年8月20日 1時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
メローネ大好き少女(プロフ) - リクエストよろしいでしょうか?男になった月雄を見て目を合わせられない夢主にどんどん迫ってくるのと月雄が入浴中の夢主を襲いに行くのをよろしくお願いします!分かりづらくてすみません (2019年8月20日 0時) (レス) id: d4923716c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年8月16日 5時

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