貴女に惚れた34 ページ37
その後が大変だった。俺の首を折った奴は錯乱し、事の成り行きを見守っていた周りの人間は俺に恐怖し、辺りは一時騒然となった。教官の怒号で収まったがな。
俺の脈が止まった瞬間、黒い鴉の羽根が俺を覆い尽くしたそうだ。それが消え去ったと思ったら、死んだと思っていた俺が目を開けていた、と。そう教官に聞いた。
異能だろう、と教官が云った。犯罪者を逮捕する際、稀に異能者である事がある。そういった事例に備えて授業で異能者については教わっていた。しかしまさか自分がその異能者とは夢にも思わなかったな。
その日から、俺に対する周りの目は嫌煙から恐怖に変わった。教室ではこそこそと陰で何かしらを囁かれ、廊下ですれ違えば怯えた様に端に寄られた。
いつしか、悪魔だと噂され始めた。生徒だけでなく、教官達までもが俺を悪魔だと思い込んでいた。
それが六ヶ月、卒業まで続いた。
一年にも満たない学校生活の中で、俺は完全に化け物扱いだ。噂の力とやらは強大だな。
首席で卒業した俺は、直ぐに軍警に配属された。軍警でも俺の噂は健在で、様々な部署をたらい回しにされた。
今の部隊に配属されたのは五年前、二十三の時だな。一つの部隊にこんなに長く留まっているのは初めての事だ。
化け物も、変人に埋もれていれば気にはされん。
…………さて、これで俺が何の仕事をしているか検討がついただろう?
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Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…!主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です! (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 1 (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年7月9日 23時