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貴女に惚れた28 ページ31

翌日、俺は昨日の小僧を引き連れて、ある場所へ向かっていた。


「速く歩け小僧」


「……その小僧って云うの、辞めてくんない?」


僕には父さんに貰った立派な名前があるんだよ、と不貞腐れた様に云う。


「有島」


「それじゃ僕だって分からないだろ。有島は他にも居るんだし」


そこまで云われて初めて気付いた。俺はこいつの名前を知らない。有島武郎が父親なら、苗字は有島だろうが……。


「もしかして名前知らない?」


「知らんな」


俺がそう云えば盛大に溜息を吐く少年。


「僕は有島行光。行光で良いよ」


「知っていると思うが、鳳鉄幹だ。今度俺の事をあんた、と呼んだらその口を縫い付けるぞ」


大通りを進みながらそう脅せば、少年……行光は冗談だと思ったらしく、気にも留めていなかった。…俺は云った事は実行するがな。


角を曲がり、橋を渡り、近道の路地を通り抜け、行光が、未だ着かないのかと不満を漏らし始めた頃。


「着いたぞ」


「ここって…警察学校?」


呆けた様に建物を見上げる行光を置いて、中に進む。案の定警備員に止められるが、俺の顔を見て怖気付いたかの様に一歩引いた。


「校長室まで案内しろ。入学希望者だ」


「ちょっと!良い宛ってここ⁈」


「部屋付き、風呂付き、飯付き、おまけに警察官になれる。良い物件だと思うが」


何処に不満があるのか全く理解出来ん。

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Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…!主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です! (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 1 (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年7月9日 23時

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