貴方に惚れた18 ページ21
与謝野女医と話していると本当に時間を忘れる。俺が気が付いた時にはもう日が暮れかけていた。
「申し訳ない、仕事があったでしょうに」
「今日は非番だよ」
聞けば、江戸川が休みを取らせたらしい。……ふむ、礼をしなければな。
「与謝野女医、江戸川の好物等をご存知ですか?」
「そうだねえ…駄菓子と社長」
駄菓子と……社長?探偵社のか?…流石にそれは無理だな。駄菓子で良いだろう。
「そうですか。どうもありがとうございます」
そう云って席を立った俺を、与謝野女医が引き留めた。
「ほら、受け取りな」
渡されたのは首飾りだった。銀の
「この間購い物に行った時に見つけてねェ。アンタにぴったりだと思ったからやるよ」
この間、と云うと俺が江戸川と与謝野女医が帰って来るのを待っていた時か。同じ日に互いの贈り物を購うなんて偶然があるんだな。
早速着けてみる。……長さも大きさも丁度良い。これなら仕事中も着けていられる。
「…ありがとうございます」
「髪飾りの礼はそれで良いかい?」
いや、これは寧ろ褒美だ。与謝野女医にその様な意図が無かったとしても、俺には褒美に感じる。それも極上の、だ。
想い人からの贈り物と云うのは、こんなにも嬉しいものなのか。
その後俺は、意図せず上がる口角を抑えるのに必死だった。
92人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - 『鳳』って、与謝野晶子女史の旧姓ですよね!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
Asterisk@あーちゃん(プロフ) - コメント失礼致します。凄いです、こんな小説を探していました…!主人公が鉄幹さんなんて、凄く素敵です!! (2019年5月14日 22時) (レス) id: 13131826f9 (このIDを非表示/違反報告)
藍斗(プロフ) - 続編希望です! (2018年7月30日 10時) (レス) id: 2f591e73cb (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 1 (2018年7月27日 17時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 1 (2018年7月27日 13時) (レス) id: 6ed63001fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ペンギン屋 | 作成日時:2018年7月9日 23時