ルビーグレープフルーツ (ページ35)

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パン「やっぱり、別れたのね、そりゃあ、あの子にあなたみたいなのが勝てるわけないものねぇ？」

A「……は？」

突然そう言われて、驚いた

いつ、別れたの？

そんな記憶、何処にもないんだけど、

なのに、何故か嫌な予感がして

ハー「ちょっと！A！？」

ハーマイオニーが止めるのも聞かずに、気づいたらさっき来た道を戻っていて

柱の影に綺麗なプラチナブロンドの髪が見える

その隣には、リネルの姿

いつものように、二人っきりで仲良さげに話していて

そして、私が近づいていこうとした瞬間、

リネルが、不意にドラコに近づいて、

良く見えなかったけど、

……多分、キスをしたんだと思う

何にも考えられなかった

何にも信じたくなかった

全部全部嘘だって、言って欲しかった

なのに、一瞬目が合ったリネルは私を見て見た事のない笑みを浮かべた

いつもの綺麗な微笑みじゃない、

まるで、「ドラコは私のよ」って言ってるかのように

あぁ、ここで泣いちゃだめだ、

分かってる、分かってるけど、

涙は止まってくれなくて、次々とこぼれ落ちてしまうのだ

ドラコ「……A？」

一瞬、大好きな人の声が聞こえた気がしたけれど

私は逃げるようにその場を去った