ボクはキミをえらんだから…８（yu-ta）

敗北宣言 ページ2

裕太『…』


言葉もなく立ち尽くしていると


秋『ｯ…ﾊｧ-

スープ…もう少し煮込めば良いから
Aに食べさせてやって…』


材料まで買ってきて
わざわざ作っておいて

帰り仕度を始めてる…


裕太『帰んのかよ？』


俺の問いにチラッとこっち見て


秋『お前らもうｯ…、

Aも俺とは顔合わせずらそうだし
今日は帰るゎｯ…

明日も無理しなくて良いって言っといて
担外の先生もいることだしなｯ…』


そう言って帰り際


ボンｯ…


裕太『ｯ…てぇ、テメー何しやがんだよｯ…』


俺の腹にパンチを入れて


秋『勝手に別れてたくせに

「良かったじゃんｯ欲しいもの手に入れて」

とか、訳分かんねーこと言っただろｯ…


それとAを泣かせたからだｯ…』


んｯ…


秋『またあんなんして
A泣かせるようなことしたら

次こそお前になんて
Aは渡さないからなｯ…』


裕太『次なんてねーよｯ…バーカｯ…』


秋『ｸｸｸｯ…じゃあとはヨロシクｯ…』


なんかカッコつけながら
帰って行った…



でも、俺と離れている間

Aの傍で見守ってくれてたのも

アイツだったんだろうなｯ…




火にかけられた鍋の蓋を開けると

美味そうな匂いが…

一口飲むと


裕太『んまｯ…』


料理だけは俺の負けだ…


勝手に敗北宣言をしたｯ…

男の生理的現象→←戻すとかじゃなくて、戻ったんだよｯ…

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