痛み八つ ページ17
聞いた所既に放課後だったらしく、私達は急いで体育館へと向かう
「先生にテストの事言われちまって … 遅れてすんません」
ありがちな言い訳をする龍くんと夕くん
「教室の掃除当番で遅れました。すみません」
実際そうだったのを友達に任せてまで私の所に来てくれていた力くん久志くん一仁くん
「分かった、早く着替えてアップしろ」
私は存在しない物のように何も聞かれない
かと思えばパァンッと体育館内に響く音
ジンジンと熱を持つ頬
熱は感じるのに痛みは無いな
そんな風に思いながら私の頬を叩いたであろう孝支先輩
「お前も遅れた理由くらい言えよ。先に準備して俺達をサポートした清水と紗奈ちゃんにお礼くらい言えよ」
ああ、お兄ちゃんに似てて優しくてお母さんみたいでかっこよくて、素敵だったのに、
可愛がってくれたのに
こんなに変わってしまうんですね
そう思ったら、何故か口が開く
言いたくない、言っちゃいけない
折角、嘘をついてまで守ってくれた力くん達を裏切る様な事、したくないのに
潔子先輩に教える気も無かったのに
「 …朝、体育館倉庫の中に閉じ込められて、今の今まで保健室で休んでました。力くん達が来てくれなかったら私はどうなっていたかわかりません。遅れた事お詫び申し上げます。…潔子先輩、さ…春田さん仕事押し付けてしまい申し訳ございませんでした。着替えて来ます、この後の事は全部やるので。」
踵を返し体育館から出ていく
未だに熱を持った頬に伝う熱く感じる涙
「 …お兄ちゃん、に、会いたい、」
更衣室で呟いた声は溶けるように消える。
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心羽(プロフ) - まじで春田さん最低…主さん続編も楽しみにしてます。話もごちゃごちゃじゃなく、読みやすいです。これからも頑張ってください。 (2021年8月8日 4時) (レス) id: 004f84b147 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめんこ | 作成日時:2021年2月26日 22時