百一振目 ページ16
"敵が消えた"
そう呟いたのはほぼ同時。
二人で顔を見合わせ、頷く。
一旦刀を鞘に収め、辺りの偵察を始める。
敵の姿、気配も、もう無い。
先程まで刃を交えていた遡行軍が消えたのだから、恐らくはそういう事だろうと理解する。
「燭台切さんが見習いさんを見付けたのでしょう」
「という事は、あたしらの任務は終わりって訳だね。……兄貴？」
「…しかし、何か嫌な空気が。
……一度、三日月殿達の元に向かいましょうか」
「…あぁ、それがいい」
資材倉庫から離れ、丁度刀を収めた三日月、数珠丸、大典太の元に二振は到着した。
自分達と同じ考えだったのか、髭切、膝丸、大倶利伽羅、和泉守兼定、岩融、巴形薙刀、蛍丸、明石国行、愛染国俊、鶯丸、大包平までも三日月の元に集まっていた。
次々と集まる、外の警備を担当していた刀達。
少し遅れて、三本の槍も集結し、集まった者は口々に敵が消えたのだ。と三日月宗近に報告をした。
三日月はある一点を見つめ、それから集まった刀を見渡す。
「政府から課せられた抜き打ちテストは無事に終わった。これからが本当の戦となる。
全戦力をあげ、敵を迎え撃て。
我等は室内では使い物にならない故。
主の元には一匹たりとも通すでないぞ。
あとは…そうさなぁ……
＿＿＿誰一人として折れてはくれるなよ。
主が悲しむからな」
静かに、淡々と告げた三日月の言葉にそれぞれの返事を返す刀達。
楽しみだねぇ、と笑顔で頷いた髭切は違和感が拭えたかのようにすっきりとした表情をしていた。
「僕が感じてた変な感じは、空間に歪みが入ってたからだったんだねぇ」
「流石は兄者だ！」
ふふふ、と笑みを零し髭切と膝丸は身を翻して戻っていく。その瞳は爛々と輝き、明確な殺意をその双眼に映していた。
「三日月、何か指示はあるか」
和泉守がそう三日月に問うが、三日月は柔らかな笑みを和泉守に向け、一言。
「なぁに、お主が正しいと思う動きをせよ。それが間違いだとしても、我らが負けるとは思えぬ」
あぁ、そうかよ。と軽く笑い、和泉守は長い髪を翻す。そして、大倶利伽羅と軽く視線を交え、二振りの刀はその場から去っていく。
次々と持ち場に戻り出す刀の背を見送り、
三日月は日が沈み始めた赤い空を見上げた。
.
歌仙が……雅に…なって…帰ってきました…
来月はついにまんばちゃんか………
楽しみだなぁ………
順位がつきました！！
201位！！ありがとうございます！！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒桜 - そして私は三日月さん推しなので、この作品で死にそうです、、、、ありがとうございます！！！(死亡) (2020年1月19日 17時) (
レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 黒桜さん» 最近来てくださった方ですか！ありがとうございます！！私も最近ゆるゆると続きを書き始めたところですので、もうしばらくお待ち下さい！応援ありがとうございます！！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 - 最近読み始めてここまで来ました！応援してます頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 伊達 光秀さん» わわっ、ありがとうございます！！全然更新出来てませんが、完結まで頑張ろうと思ってるので…気長に待っててください…！！見習いくんは、これからも元気にやってもらうつもりです……。コメントありがとうございました、嬉しいです！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 見習い君が助かってよかった！(泣)めっちゃ面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無気力組 | 作成日時：2018年4月30日 13時
