八十六振目 ページ1
＿＿＿＿＿爆発音が響く。
吹き飛ばされたのは、どうやら隣の部屋らしい。
軽く本丸が揺れたかと思えば敵の咆哮が聞こえる。
「敵襲」だなんて、言われなくても分かるよ。
素早く己の刀を握り、背後に控える刀を守るように立ち上がる。
俺の役目は、まだ練度の低い刀剣男士の護り。
鶴丸に任命されたのは少し気に入らないけど、
まぁ、俺、主の初期刀だからね。
こういう役目は、俺が一番向いてるってね。
部屋の襖に刀が突き刺さり、薙ぎ倒される。
同時に軽く土埃が立った。
重そうな体を動かし、畳を踏んだ敵。
「まったく、主のお財布が軽くなるじゃん。
どーしてくれんの？」
無残な姿になった襖。
入って来たのは、大太刀だった。
大太刀は室内戦に向かない。
それは、此奴もよく分かっているハズだ。
それでも、俺に勝負を挑んでくるという事は……
「ひょっとして俺、舐められてる？」
その言葉を肯定するかの様に、大太刀は短く唸り、俺に刀を向ける。
「はっ、上等じゃん。
主が選んだ
新刃は余計な真似をせずに、大人しく
大太刀の狙いが俺ではなく俺の背後の刀だと分かる。確かに彼等は顕現したばかりだ。
しかし、
まだ出陣した事の無い小豆長光だって、流石は刀。
戦う気満々で自身の刀を強く握っている。
うんうん、その心意気は認めよう。
でも、俺の役目はお前らを護ること。
共に戦え、なんて言われてないの。
だから、
「俺を信じて大人しく護られててよ、新刃さん」
大太刀の重い太刀筋を受け流し、胴を二つに割く。
上と下に分かれた敵を踏み付け、背後の刀達にそう言った。
「一応俺、この本丸で一番強くて世界一可愛い、主の頼れる初期刀、やらせて貰ってるから」
キラキラとした羨望の眼差しを快く受け止めながら、沸いた敵短刀を振り向き際に両断する。
黒い靄となり、消えるそいつ。
でも、出来ることなら主の警護を担当したかったなー、なんて。
粗方片付けたら、様子でも見にいこうか。
ま、鶴丸の事だから、大丈夫だとは思うけど。
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黒桜 - そして私は三日月さん推しなので、この作品で死にそうです、、、、ありがとうございます！！！(死亡) (2020年1月19日 17時) (
レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 黒桜さん» 最近来てくださった方ですか！ありがとうございます！！私も最近ゆるゆると続きを書き始めたところですので、もうしばらくお待ち下さい！応援ありがとうございます！！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜 - 最近読み始めてここまで来ました！応援してます頑張ってください！ (2020年1月19日 10時) (レス) id: 946cd3609e (このIDを非表示/違反報告)
無気力組(プロフ) - 伊達 光秀さん» わわっ、ありがとうございます！！全然更新出来てませんが、完結まで頑張ろうと思ってるので…気長に待っててください…！！見習いくんは、これからも元気にやってもらうつもりです……。コメントありがとうございました、嬉しいです！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: f11b465254 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 見習い君が助かってよかった！(泣)めっちゃ面白いです！これからも更新楽しみにしてます！ (2018年10月14日 8時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力組 | 作成日時：2018年4月30日 13時
