先輩はもう、俺の虜です。【赤葦京治】

story. １６ ページ21

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「なんかわりーな。急にお邪魔しちまったのに」



へへっ、と笑う光太郎。
その姿は高校時代とあまり変わっていない。



「ほんと、びっくりしたよ。どうしたの？」


「ぱぱぁ…このひとだれー？」


「フクロウだよ」




わたしが入れたレモンティーをすすると、んー、と唸った。


「気晴らしにってコンビニで肉まん買おうと思ったら赤葦いてさぁ。ついてきちゃった」


ついつい、と笑う光太郎に、京治は怪訝そうな顔をした。



「京治がコンビニ？買うものあったの？」


「あ、うん…Aが買ってるお菓子の新作出てて。叶夢にも買ってきたよ」


ゴソゴソと袋の中から取り出したものは、わたしの好きなお菓子の新作レモン味。

叶夢と私は揃って簡単の声を上げた。



「おかしー！」

叶夢がやったやったと飛び跳ねる。

「あ、でも叶夢。夜ご飯食べてからだよー？」

「え、もしかしてまだご飯食べてなかった！？わりぃ！」


すまん！と二度謝る光太郎。
いいよ、と遠慮して、ある提案を持ちかける。


「そうだ。光太郎も食べていく？私のぶんはあとで作ればいいし」


準備するよ。と袖をまくる。
光太郎は目を輝かせ、

「いいのか！？手料理なんて久しぶりなんだよー！」


子供のようにはしゃぐ光太郎の隣で、京治はなぜかむっとした顔でいた。




久しぶりに高校時代の先輩に会えて嬉しくないのかな...？







京治は席を立ち、買ってきたお菓子をかごの中へと置いていた。

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