第六章第十五話 ページ15
辺りが真っ暗になると、湖の一本の木にポツリポツリと光が灯されていく。
ゴンはパームさんに小さな木を渡すとその木にも光が集まってきた。
多分これはホタルだなとこの時わかる。
そして二人の会話はうっすらと聞こえてきた。
「俺、パームが本当に欲しいものをあげれないよ。」
「....？あたしの欲しいものって？」
「二人きりの時間。」
そうだ。
ゴンはカイトさんを助けないといけない。
それはキルアも一緒。
二人とも強くなりたいんだ。
「せめてカイトを元に戻すまで...出来ればキメラ=アントを倒しきるまでは修行に専念したいんだ。」
「それでもいい...？」
いい雰囲気にゴンの気持ちを考えれば答えは一つしかないだろう。
もちろん！いいに...
「は？何言ってんの？」
....へ？
思ってた答えと違っててキョトンとなる私。
パームさんはすごい顔をして荷物も持たずにゴンを連れてさっき来た道を戻っていく。
待って待って！！理解が出来ない！！
「あー！！もう！！」
私は二人を追いかけようとしたが、二人の荷物が置いてけぼりになるのでゴンのリュックを背負って椅子を畳んで担ぐと二人を追いかける。
二人の向かう方角や道から考えるに行き先はホテル。
ポケットから携帯を取り出してキルアに
『二人がホテルに戻ろうとしてるから追ってます！』
と打ち込んで送信。
キルアのことも心配だけど、その分信じてる。
大丈夫。
二人は案の定ホテルに入って行った。
私は恐る恐る二人の後を追い、二人が入ったであろう部屋を覗いてみる。
するの思いもよらぬ光景が飛び込んできた。
なんとゴン君が習字してるじゃないか。
しかもパームさんの手には包丁。
一枚書く度にゴンを取り囲む円状のように並べていっている。
私は居ても立ってもいられなくなり、部屋に飛び込んだ。
「何やってるんですか！」
パームさんはギロリとこちらを見ると「あたしの気持ちを踏みにじった罰を与えてるのよ」と言う。
「気持ち踏みにじってるのはパームさんでしょ！？ゴンは二人の時間が少なくなるって言っただけでなくなるとは言ってないですよね！？」
「....聞いてたの...？」
あ、しまった。
そう思ったときにはもう遅く、パームさんの包丁が私の脳天目掛けて飛んでくる。
荷物を置いて咄嗟に避けた。間一髪だ。
「あんたもわかるでしょ....？二人の時間がどれだけ欲しいか...。」
壁に刺さった包丁を抜き取るとまた私に包丁を向けてそう言った。
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焼き肉(プロフ) - Mizuさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！そう言っていただけると創作意欲が湧いてきます！次の作品は未定ですが応援よろしくお願いします！ (2020年4月22日 19時) (
レス) id: a18e6f2f01 (このIDを非表示/違反報告)
Mizu(プロフ) - 作品読ませていただきました！もうすっごくすっごく好きになりました！！言葉を失うくらい素敵です！！他になんて言っていいかわかりませんが、、これからも応援させていただきたいです！！ (2020年4月22日 14時) (レス) id: 4855926a40 (このIDを非表示/違反報告)
焼き肉(プロフ) - あーさーさん» 最後までお読みいただきありがとうございました！！そう言っていただけて台詞だけにならないように工夫したかいがありました...！！ありがとうございます！ (2020年3月24日 1時) (レス) id: 9fb1550a34 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー(プロフ) - 完結おめでとうございます！長い連載お疲れ様でした。キルア推しの私にはたまらない作品でした！各編の描写もとても丁寧で読みやすかったですしオリジナルも面白くて楽しく読ませてもらいました！大人キルアはさぞかっこいいことでしょう笑本当にお疲れ様でした (2020年3月24日 0時) (レス) id: 269b1665ad (このIDを非表示/違反報告)
焼き肉(プロフ) - 有希さん» お褒めの言葉ありがとうございます！逆に私はそういう描写を書くのが苦手なので羨ましいです(;o;)最後までお読みいただきありがとうございました！！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 9fb1550a34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2020年1月8日 23時
