第五章第一話 ページ31
説明が終わり階段をぐるぐると下りていくとゴンは柱のすぐそばに座っていた。
ゴンは私に気付くとパッと明るい顔をして手をふる。私も「お待たせ」と言って手をふり、彼の隣に座った。
見渡す限り草原のはずなのにどこからか見られている。視線を感じる。
それに気づいたのはゴンはもちろん他の人達もだ。さすが試験に通っただけある。
そして数十分後、キルアが階段からおりてきた。
「平原か、町らしき影は全然見えないな。」
「そうなんだけど皆大体似た方角に向かったよ。何でだろ。」
ゴンがそういうとキルアはふーんと言うと考える間もなく「あっちかこっちだろ」と指を指した。
「どーしてわかるの！？」
「その方向から見られてる感じが強いからさ。」
とキルアが説明をする。
私たちもその監視されているどちらかに進むわけで、せーので決めることとなった。
せーので私達は指を指す。
「A！両方はズルいだろ！」
「どっちでもいーんだもん！！」
キルアが右、ゴンが左を指し、私は両方。
いや、こういうの決めれないというか。
「二人でジャンケンしたら？」
その案にのった二人はジャンケンをする。
勝者はゴン。さっきのゲームに入る順番も勝ってたのを思いだしゴンの運に感心する。
「で、どうだった？」
「え？」
「お前のセーブデータさ。カード何枚くらい入ってた？」
それがメッセージだけだったらしい。
楽しめとそれだけ。しかもお父さんはいないんだとか。
草原を視線の方にまっすぐ歩いていると上から音が聞こえてきた。そして目の前に現れる一人の男。
男はキョロキョロと辺りを見渡し私たちに話しかける。
「ここはスタート近くの平原か。ってことは君達ゲームは初めてかい？ん？」
「さてどうかな？バインダー持ってるってことはあんたもプレイヤーだね。」
「キシキシまぁね...」と男はバインダーから何かカードを取り出してはめている。
「ふーん、キルアくんとゴンくんとAちゃんか。」
名前を知られた！？もしかしてあのカードでか！？
男はまたカードを取り出して叫んだ。
「トレースオン！キルアを攻撃！」
するとカードから光が飛び出してくる。
キルアはそれに逃げるが当たってしまった。
「キルア！怪我ない？」と駆け寄るがキルアはそれどころではない。
「俺になにした？」とぶちギレ。
男も殺気に気づきまたカードを使って逃げてしまう。
これが、ゲームか。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
