第四章第三十話 ページ30
五時、ターセトル駅の中央口に行くと列車がまるまる一台貸し切りだと言われた。
一度盗まれたことがあるから慎重になっているのだろう。
列車に乗って数時間、目的地に到着したのは夜だった。
目的地は古いお城。しかし最新式の防犯システムを設置しているため指示以外の場所を下手に歩くと命を落とす。
ツェズゲラさんは奥の扉をゆっくりと開け、「ここだ」と言って私たちを中へと入らせた。
「わぁ....」
驚くのももちろん。中にはたくさんのパソコン。
皆ゲームの中に入っているのだ。
機械音が聞こえるなか、ツェズゲラさんは補足としてゲームの事について話し出す。
しかしゲームなんてあまりしたことがなくてなかなか理解が出来ない。それはゴンも同様で二人でクエスチョンマークを浮かべていた。
「とにかく皆、同じ場所でゲームができるってことだよ。」
「あー、なるほど！」
キルアの説明はすごく分かりやすい。しかし、マジもんの初心者であるゴンは「当たり前でしょ？ここに全部ゲームがあるんだから。」とまだわかっていない。
「それではメモリーカードを配布する。これを差したらすぐゲームを開始してもらうのだが、順番をまず決めてもらいたい。」
ゲーム内に飛ぶと最初にシステムの説明があるらしいのだが、一人ずつしか無理らしい。
順番はジャンケンでとなった。
★
「ゴンすごいね！一番！」
いえーいとハイタッチをする。
キルアは十七番だったみたい。ちなみに私は十番。普通だ。
ゴンはもともとセーブデータを持っているためそれを使う。
「ゴン！説明聞いたらスタート地点で待っとけよ！」
ゴンはぐっと親指をたてるとゲーム機に念をこめる。するとすぐに消えてしまった。
「すごいね....グリードアイランド。」
「だな。」
★
ここに来て九回目のnow playingの文字が出た。
次は私の番。
ほっと一息して、キルアを見る。
「んじゃ、お先に。」
「おう。」
手をかざして念をこめる。
するとすっと吸い込まれていくようなそんな感じがした。
そして気がつくと、円の上に立っていた。
目の前には中に浮いた机に座っている女の子。
「グリードアイランドへようこそ。」
彼女はそう言って笑った。
ゴンのお父さんがいるかもしれないグリードアイランド。
楽しませてもらいます！！
〜第四章fin〜
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
