第四章第十二話 ページ12
「もしかして、さっきの聞いてたの？」
キルアは黙ったまま、私の肩から離れる。
かわいいなんて思ってしまうのは私だけだろうか。
「なぁ、旅団に薬盛られてたんだよな....？」
「うん、体が動かなくなる薬。ほんと、何にも動かせなくてビックリしたけど耐性ついちゃった！」
あははと笑うと次はガシッと肩を掴まれる。
いきなりのことに驚き、目が真ん丸になった。
「もう....いなくならないでくれ。」
キルアのくりくりとした青い目に吸い込まれていく。
昨日は慌ただしくて気づかなかったけどちょっと、身長伸びたかな？前よりも目線があってきたような気がする。
成長期だもんね。
こうやって、どんどん大きくなってかっこよくなっていって....大人になっていくんだな。
けど、
「....うん。ごめんね、キルア。心配かけて、ごめんね。」
まだ12歳。子供だ。
大人がしっかりしないといけないのに。何やってるんだ私は....。
しっかりして....お願いだから....
変な感情は全部捨てて....。
★
今、私とゴンとキルアはデイロード公園にいる。
クラピカに会うためだ。
なんと私が旅団に捕まっている間にいろいろ事が進んでいたらしく、なんと昨日、旅団が死んだらしい。
信じられないことだが、クラピカが言うなら違いないだろう。
捕まっていたとき、全員と話したけど....思ってた人達とは全然違ったんだよな。
なんか、仲間思いというか....。
あー、駄目だ、深入りしすぎると頭ごちゃごちゃになってくる。
私はさっき買ったコーヒーを飲み、落ち着かせる。
ちなみにゴンとキルアは早食い競争をしている。朝からよく食べるなーと感心する。
すると誰かが近づいてくるのがわかった。
顔を向けると見覚えのある姿。
ゴンも気づいたらしく思わず声をあげる。
「ぶぁはピカ！」
口の中にはご飯が溜まってたからいきなり口を開けたことによってキルアの顔面にそれがかかった。
思わず笑いそうになる。
「よかったね！！旅団が死んでこれでやっと一番したかったことに集中できるね！」
「早く見つけてあげなきゃ！仲間達の目。」
「もし俺達にてつだぶ」
ゴンとクラピカの会話を途切れさせたのはキルアだった。
さっきのことを根に持っているのだろう。
ゴンの顔面にはパイがかかり、また喧嘩になる。
「ふふ、面白いね。」
「あぁ、そうだな。」
クラピカはそう言ってニッコリ笑った。
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年9月16日 17時
