第二章第七話 ページ40
彼女は多分、キルアのお母さんだ。その隣には女の子？いや、男の子か？キルアの下の子だろう。
「一角族は昔から執事として欲しかったの！」
パッと私の手をとり、キュインキュインとゴーグルをさっきよりも光らせた。
「母さん、今日はもう遅いから。」
イルミは私の肩を持ち、屋敷の中へと連れていかれる。そして迷路のような道をひたすら歩かされ、ついたのはイルミの部屋だった。
「今日はここで寝なよ。夕食なら持ってきてくれるみたいだし。あ、キミも執事になるんだから、ちゃんと見ときなよ。先輩の姿。」
私、実は怒りっぽいんです。ちょっとカチンときちゃったわけで....
「ふざけないでください！私は従う気なんて全くありません！！私はキルアを迎えに来たんです！キルアにあわせてください！！」
「ここに居た方が狙われる心配なくて安全なんじゃない？」
「別にいいんですよ！！それよりもキルアですキルア！！」
イルミはふかーいため息をついて私に思いがけないことを言ったのだ。
「何？もしかしてキルアが好きなの？てか付き合ってんの？」
頭の中に宇宙が広がった。
好き？
付き合ってる？？
ボッと頭から湯気が出てる。
「んなわけないでしょ！てか！もしそうだとしたらびっくりでしょ！？私二十一ですよ！？」
「え、まだ十代でしょ？」
シーンと静まり返る部屋。
イルミはそうとう驚いているのだ。真顔だが。
しかしすぐに切り替える。
「じゃー丁度良かった。執事が嫌なら俺と結婚すればいい。」
ポンと手をあわせるイルミ。
何を考えているんだこの人は....？？？
「最近親が結婚しろってうるさいんだよねー。まぁ君だったら年齢もそんなにかわらないし、性格あれだけど顔は綺麗だし....ギリギリOKってとこかな？ギリギリだけどね。」
こいつっ！！！
「こっちは無理です！！断固拒否です！！」
「よし、早速夜を共にしよう。」
「ギャ！！話聞いてました！？嫌って言ってるんです！！！！」
押し倒されそうになるのを必死に押し返すが、やはり男性の力にはかなわず、ベッドにダイブ。
「無理無理！！ゴンー！キルアー！クラピカー！ついでにレオリオ！！」
「あーも、婚約者なんだから敬語やめたら？あとさん付けも。」
「は？いや、私が敬語になるのは初対面で年上の人か尊敬している人か嫌いな人だけですけど。貴方は一番最後の方です。」
「そっか、俺尊敬されてるのか。」
「いや、話聞いてました？」
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2019年8月17日 17時
