狩られる者。 (ページ19)

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第一章第十七話ページ19

「ギャ！！」

無理無理！！と言いながら近くにいたギタラクルさんの後ろに隠れる。

「ごめんなさいギタラクルさん！けど今だけ助けてください！」

「ん？二人..仲良かったっけ？」とこちらに近付いてくるヒソカ。

「始めの十時間くらいは一緒に行動してたんです！もう仲良しです！！ヒソカさんよりもね！！！」

カタカタと揺れるギタラクルさん。目の前のヒソカに比べたらもう可愛さを感じてしまっているのだ、このカタカタに！！

「ヒソカさんが近づくと眠たくても寝れないんです！」

「わかるわー」と294番のハンゾーと384番のゲレタも思うが口には出さない。出したら殺されるかもしれないからだ。だから今、あの100番を恐ろしく尊敬している。

よく言ったと。

けど、そんなこと知らない私はギタラクルさんにしがみつく。
心の中で何度も謝りながら。

「..ヒソカ、やめろ。」

ギ、ギタラクルさーーん！！
今、貴方が神に見えるよ。

「わかったよ♠」

ヒソカもギタラクルさんの言うことを聞き、地面に座る。

「助けてもらってありがとうございます！」

カタカタっと揺れている。「いいよ」ってことなのかな？

「それでは失礼します。」と私はギタラクルさんから離れ、他の受験者たちのところに行った。

彼がまさかあんなことをするなんて、この時私は考えもしなかった。

★

三次試験は、意外と難しい。
今だ通過者は十八人。その中にはゴンたちはいない。

お願い..あと一分！！

その時、ゴゴンと扉が開き見覚えのある靴が見えた。
あの靴！あの足！！

私は置いていた鞄を肩に掛け扉に駆け寄る。

ゴンとキルアとクラピカの三人はぼろぼろになっていた。けど、怪我はしてないみたいだ。

「A！」とゴンは私に気づくと近付いた。

「ねぇ、レオリオとトンパさんは？」

三人は顔を見合わせ、後ろ後ろ！と指を指す。

二人もぼろぼろではあったけど、無事に着いたみたいだ。

「よかった..。」

「Aのおかげだよ。」

「え？」と声をあげ、ゴンを見る。

「Aが四十時間にしてくれなかったら俺たち五人、攻略出来なかったもん！」

「ありがとっ！」と言ってニコッと笑うゴン。キルアとクラピカとレオリオも「ありがとな」とお礼を言われる。

「..もー！そんな褒めてもなんも出ないんだからねー！」

と言ってゴンの頭をワシャワシャと掻き回した。