狩られる者。 (ページ14)

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第一章第十二話ページ14

[キルア目線]

くそー、すっきりしないなー..

じいさんとのゲームを断念した俺は、廊下を歩いていた。

ま、仕方ないか

その時、角から出てきた男二人とドンとぶつかってしまった。

「うわ、こいつ汗だくだぜ」

「おいボウズ、ぶつかったら謝りな。」

無視して通りすぎようとする

「おい！」と俺の肩に手を置こうとしたとき、手を変えてそいつらを殺した。

あれ以上やってたら、殺してでもボール取りたくなっちゃうもんな

近くの風呂場で汗を流し、タオルで髪を拭きながら寝る場所を探す。

お！いいソファ見っけ！

と思ったのだが先客がいた。
あの後ろ姿..

覗き込むと、クラピカとレオリオとAだった。ぐっすり寝ている。

ちぇ、俺もここで寝たかったのに。

違う場所を探そうとすると、「キルア..？」とまだ眠そうなAの声がした。

「わりぃ、起こした。」

「いや、たまたま覚めただけ..何処行くの？」

「何処って、寝る場所探しに。ここはもう満員だろ？」

Aは両隣をキョロキョロ見て確かめる。

すると、「レオリオごめんねー」と言いながらレオリオを少しずらし、反対のクラピカも「ごめんよー」と言いながらずらす。

そしてAはクラピカ側に寄るとAとレオリオの間が空き、「はい、空いた。」と言って空いた所をポンポンと叩く。

「オッサンかわいそー」なんて言いながらもそこに座る俺、

「こら、オッサンって言わない。」

ワシャっと俺の髪撫でるA。そう言えば最初の時もされたよな..。

初めてだった。

毒を飲んで褒められることは度々あったが、怒られたことは初めてだった。

「私、キルアの髪の毛好きだな～」

「え？」

「フワフワしてて、触ってるの気持ちいい。」

コトンと頭を俺の頭にのせるA。

「や、めろよ..！」

「んー..」

退いてくれるのかと思ったが頭の上からはスースーと寝息が聞こえてくる。

優しくて、駄目なことはちゃんと叱ってくれる。

姉貴がいたら、こんな感じだったのかな。

俺はひどく安心したのか、すぐに眠りについた。