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※上鳴目線
『私ね…』と鬼沢は重い口をゆっくりと開けた。
『ヴィランと賭けをしたんだ。』
ヴィランと…賭け？
『もし、私が体育祭で１位をとらなかったら…ヴィラン連合へ連れていくって…』
鬼沢が…ヴィラン連合に…？
俺は体育祭以降の鬼沢を思い出す。
目の下に隈、あまり１人で行動しない…そんな鬼沢を。
体育祭前もそうだ。見ているこっちが心配するほど自主練に励む鬼沢。
やっと繋がった感じがした。
『馬鹿だよね。ほんと…私って…なにやってんだろ…。』
ははっと鬼沢の渇いた笑いが俺の心臓をぎゅっと縮めた。
「そうだよ…鬼沢…ほんとお前って…」
俺は鬼沢をぎゅっと抱き締めた。
「馬鹿…だよ。頼れって言ったじゃねーか…！お願いだから、１人で抱え込むなよ…！！」
自分でもわかる。俺が震えているのが。
お願いだから言わないでくれよ…と
『ごめんね』
言わないでくれ
『大丈夫。もう十分だよ。』
頼むから！！！
『賭けに負けたんだよ。私。』
言うな！！！！！
『私、これからヴィランになるんだよ。』
言ってしまったその言葉は、さっきまで縮こまっていた心臓に大きな釘を刺すかのような痛みを伴った。
さっきまで抱き締めていた腕がダラリと垂れ下がる。
『私が行って、お願いしたらこの襲撃もおさまる。』
ふらりと立ち上がる鬼沢。
鬼沢の目に光なんてなかった。
『今までありがとう。バイバイ。』
そう言うとドアに手をかけて出ていこうとする。
待って
待ってくれ
嫌だ
「っ！行くなっ！」
ドアを開ける寸前
俺は力一杯立ち上がり鬼沢のもとへ駆けつけ、腕を引き、そして力一杯抱き締めた。
絶対逃げられないように。
『上鳴…私の個性使ったら…こんなのすぐに逃げれるよ。それに上鳴だって怪我する。お願いだから離れて。』
「やだ。」
『……いいから離れて！個性使うよ！！？』
声をあらげ、こちらを見た鬼沢。
「使えよ、個性。俺は絶対離さねぇから。」
俺の胸板に手をおいている鬼沢
もういつでも押せる状態だ。
鬼沢のこめかみからは汗が流れた。
下唇を噛み、手に力を込める鬼沢をじっと見つめる。
けど、一向に鬼沢が俺を突き飛ばす気配を感じられない。
むしろためらっている。
「鬼沢…やっぱりお前ってヒーローに向いてるよ。だって、人を怪我させることぜってぇしねぇもん。」
鬼沢は泣きそうになっていた。
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マルこう - うわああああ！！本当にいい作品でした！ありがとうございます！！！ (2021年9月13日 17時) (
レス) id: d0881c87cf (このIDを非表示/違反報告)
焼き肉(プロフ) - あんさん» こちらこそイラストありがとうございました！！今、テンション上がってて最高です！本当にありがとうございます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 9fb1550a34 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - 焼き肉さん» ありがとうございます！自分が書いたイラストが載っててちょっと慣れないですけど、嬉しいです！笑 (2019年8月17日 21時) (レス) id: 36619689e1 (このIDを非表示/違反報告)
焼き肉(プロフ) - あんさん» すみません！メッセージにお返事を書かせていただきました！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 9fb1550a34 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主さんのイラストを書かせてもらったのですが、Twitterなどでお渡しってできますか…？ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 36619689e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焼き肉 | 作成日時：2018年2月25日 12時
