真っ赤/渋谷 ページ17
「なあなあ触らせてや！」
この人はバイトの先輩。
すばるくん。
変態。えろい。
「どこをですか？」
もうすばるくんへの反応も慣れたもんだ。
でもすばるくんはわたしの気持ちには気づかない。
「そらもちもん全部や！」
そう言ってニヤニヤしながら空気を揉む。
ほんとに変態！
「誰でもええわけちゃうねんで？Aちゃんだけやんか〜こんな言うても笑てくれんの」
そう言ってわたしの頭をぽんっと撫でる。
すばるさんがずるいのそういうとこだから！
もー…気持ちに気づいてよ…
「てなわけで見せてや！」
そう言ってわたしの制服のスナップをぷちんと一つ外してくる。
「なんでそーなるんですか！？」
もう！さっきのキュンキュン返してよ！！！
ほんまかわええなと言いながら控え室に消えていく。
そんな変態なとこも好きなわたしはイかれてるかも。
テーブルを拭いていると後ろから腰を掴まれる。
「へ！？何してるの？」
「立ちバックやーん。」
ちょっと頭おかしいんじゃないの！？
「ねぇ…すばるくん…まだバイト中なんだけど？」
「バイト終わったらええの？」
思ってもみない返事。
バイト終わってからしてくれるなら本望だよ！と思いながらもすばるくんに突っ込む。
「…ほんとそろそろ訴えられるよ？」
「えぇ〜お前は訴えへんやろ？なぁ？」
そういうとわたしの肩をぎゅーっと抱く。
はぁ、なんでこんな変態な先輩が大好きなんだろ？
そう思ってると後ろからすばるくんの声。
「お前にタメ口で話されんのめっちゃ嬉しいねんけどさ、これ、なんなんやろな？」
振り向くと柔らかな表情のすばるくん。
歳上だし先輩だけど、気づいたらタメ口で話してた。
「距離感じゃん？」
何言ってんだと思いながらそう返すと、すばるくんはあぁ、そういうことか、と呟いた。
「多分俺はお前のこと好きやねん。うん、そういうことやんな」
まっすぐな目でわたしを見てるすばるくん。
状況、読めないんですけど？
「てことやわ、Aちゃん。」
ニヤッとしながらわたしの顔を覗き込む。
今、わたしどんな顔してる！？
たぶん、真っ赤。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちい | 作成日時：2017年9月24日 13時
