三十六話、練習開始 ページ36
「で、合理的に考えた結果。このやり方にした。」
と消太お兄ちゃんは言う。
グラウンドには私とお兄ちゃんが手を繋いでいて、少し離れたところにマイク先生が立っている。
おぉ………離れているのにマイク先生の声はよく通るな………。
なんと、マイク先生が個性を使い、お兄ちゃんが個性で抹消。抹消できるのにはわかりやすいキャパがあるため、ここで私の個性……【増強】を使用。
抹消できた時間でキャパシティを測定するというなんとも人件費のかかるやり方だ。
だけれどこれなら実感できるはず。
「準備はできてるか？」
「おぉよ！！いつでもいいぜ！リスナーの底力魅せちゃってfooooo！！！」
テンションが高いマイク先生。
暗い練習にはならなそうでなにより。
「A、出来そうか？」
お兄ちゃんは一度私に確認する。
「もちろんです！いきますよ……。」
お兄ちゃんと繋いでいなかった手で高いキーの音がでる機械のボタンを押す。
これを押したら個性発動の合図だ。
音が空気中に響き渡ると同時にマイク先生は息を吸う。
それを見たお兄ちゃんは瞬時に髪を掻き上げると個性を発動させる。
私はお兄ちゃんの手を強く握り、イメージする。
増強はどのように相手の個性を強くするのか。
確証はないから自分が一番イメージしやすいやつ。
〘乾いた土地に水を流し込む〙ようなイメージ！！
「……！！」
集中するために目をつぶっているから正確にはわからないけれど、一瞬お兄ちゃんが肩を揺らしたような気がした。
、
どのくらい経ったのだろう。
体がダルくなり始めた時に マイク先生の声が聞こえたと思った瞬間、鼓膜を突き破るような痛みが襲う。
「いっ………！！」
反射でお兄ちゃんの手を放してしゃがみ込んだ私を見かねて慌ててマイク先生は個性を抑える。
「おい、大丈夫か？」
珍しくお兄ちゃんは慌てた様子で話しかけた。
「大丈夫……だよ」
安心させるために笑って答える。
あまり納得がいかないような顔をしながら そうか。 と言い、駆け寄ってきたマイク先生となにか話しはじめる。
私はというと、耳の痛さに驚いて腰を抜かすというマヌケさで自力では立ち上がることすらできない。
………マヌケすぎる……。
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冬音 - 相澤先生がお兄ちゃんだなんてびっくりしました(笑) (2020年2月20日 22時) (
レス) id: 4b22177c0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 轟が友達になろうって言ったとき、「こいつ、まさかとは思うが個性強くしてもらうために話しかけた・・・・？」とか思ってしまった。ごめん。 (2018年8月3日 1時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 哀流さん» それ、書いててめちゃくちゃ思いました！（笑）でも爆豪くんならやりかねないと信じていたので（笑） (2017年11月12日 15時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
哀流 - 爆豪威圧で道案内とかやっぱ才能マンですねー。 (2017年11月12日 15時) (レス) id: f3d50ceb36 (このIDを非表示/違反報告)
つむ(プロフ) - 夏祈さん» 確認しました！ありがとうございます！！良ければお話しましょ！！！ (2017年11月11日 13時) (レス) id: 06e376deec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむ | 作成日時：2017年9月6日 22時
