本日、入籍致します。【不死川実弥】

4日目 ページ4

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ワーンと、しゃくりあげながら泣き、その場に座り込む。


だってひどく無い？さすがに。急に結婚しろとか言ってしないって返したら押さえつけるとか。有り得ないでしょ。



・


「.....そんなに嫌かよ。」

少し悲しげな目をして私を見つめる。




・



「嫌っていうか無理です。ほんとにごめんなさい殺さないでください」

「...そうかよ。別に殺さねえよ。」



彼は私と目を合わせるようにしゃがみ込み、ポンっと頭に手を乗せた。
そしてグリグリと乱暴に撫でた。




・



「悪かったな、急に。」


その声はなんだか優しくて、私を見つめる瞳にキュンとした。



.....えっ。この人さっきまで脅してきてた人だよ。何キュンとしてるの自分。




・



「い、いえ...。こちらこそなんかすみません。」


恐怖心が無くなり、鼻水をズビッとすすって涙を拭う。



・




私が落ち着いてきたのを確認すると、彼は立ち上がった。

・



「さっき言ったこと、忘れてくれ。泣かせて悪かったなァ」


そう言うと、じゃあなと言って歩いて行った。





私はふと、占い師の言葉を思い出した。

『今日、運命の人と出会います。』

そして、ハッとした。
.......えっ。まさかあの人運命の人？いやまさかまさか。.............えっ嘘でしょ？






・


...私、運命の人手放そうとしてる？

そんな事があってはならないと強く思い、私はその人を呼び止めた。




・





「あ、あのっ！」


その人はゆっくり振り返って、何だ？と返した。





「私、あなたと結婚します！」





言った瞬間、あ、言いすぎた。と思った。結婚しますは違うだろ。考えますとか言えよ。
自分にツッコミを入れ、発してしまった言葉に後悔した。




・



その人は目を見開き、少し驚いた顔で近寄ってきた。


そして私の前に立つと、傷のついたたくましい手を差し伸べた。


・





「今日からよろしくなァ、嫁さん。」




・


その笑顔がなんとも嬉しそうで、私は引きつった笑顔を見せた。


「.........ヨ、ヨロシクオネガイシマス。」

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