【wrwrd！】血を吸う彼らと彷徨う亡者 (ページ9)

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8［青祓遊］ページ9

…さっきから一言も発さない僕と鬱さん。

上を見上げれば、僕の気持ちとは真反対の明るく、綺麗な赤い月がある。

不意に、鬱さんが口を開いた

ut｢そういや、君の名前って？きいとらんかったよな？｣

……そう言えば、言ってなかったや。一応、言っておくか。

yu｢…青祓、遊、です。｣

ut｢可愛ええ名前しとるなぁ～じゃあ遊ちゃんって呼ぶなー｣

……この人は何処までも馴れ馴れしい。なんなんだ？警戒心が無いのか…？

yu｢好きに呼んでください…｣

そうとしか言いようがない。というか、話すネタが無い。

不意に、辺りを見回す。…森の、中。遠くが暗い。……行ってみたい。と思ってしまった。なんで行ってみたいかって？

…決まってるじゃないか。1人になれるからだよ。

ま、この人1人にするとうるさそうだから行かないけどね……

ut｢あ、これから行くところ大人…2人くらい居るけど大丈夫？｣

え。2人？2人も居るの？シェアハウスでもしてるのかな……。まぁ、接触は避けよう……

yu｢大丈夫です。気にしないでください。｣

ut｢ならええけど…｣

フードでも被ってやろうか…。そう思いつつほぼ白に等しいくらい薄い水色のパーカーのフードに手をかける。

…やめとこう。この人驚かせたらうるさそうだから。

ut｢あ、そこ段差あるからな。気ぃつけてな。｣

yu｢…はい。｣

信じても、良いのだろうか。ついて行っても、良いのだろうか。

良いと、思いたい。