アリス殺し ページ9
♪♬♧＊─鏡花side─＊♧♬♪
辺りが暗い。あれ？私、私の姿してない？これは、何年か前の....｡
ﾄﾝｯ!
まあいいや｡
私は手元の鞠を姉さんに投げる。
ﾄﾝｯ!
姉さんは鞠を一回バウンドさせてから私の方に鞠を投げる。
鈴「あ、鏡花！父様が帰ってきたよ！」
鏡『今日は早いね。』
夕ご飯の食欲をそそる香りが風に乗ってやってくる。
ﾊﾟｧﾝｯ ﾊﾟｧﾝｯ
２つ、銃声が響く。
嗚呼、またか。また母さんと父さんの命を狙い、命を落とす者が居る。人が死ぬのが怖い訳じゃ無い｡死ぬ直前で苦しむ人が怖い。そりゃあ、命は大切だ。だけど相手を殺らなきゃ母さんと父さんが死ぬ。なら、他人が死んだ方がましだ。でも。何かおかしい。
鏡『姉さん』
鈴「えぇ、違和感が有る。」
私と姉さんは家の方に走って戸を開ける。
ｶﾞﾗｯ
『「ｯｯｯ!!!」』
其処で目にしたのは……………母さんの夜叉白雪と戦う父さんの姿だった。
後ろを向いた母さんと目が合う。父さんが私達の方に駆け寄る。そして……刃を向けられた。突然の事に立ち竦む。当たり前だ。今まで優しかった父さんに、刃愚か大声で怒鳴られたことすらないのだから。
父さんが喉から絞り出すような声で叫ぶ。
父「僕を切れ……」
その瞬間夜叉白雪が動く。
ｻﾞｼｭｯｯｯｯ!!!!!!
鈴「父様ｧｧｧｯｯｯ!!!!!」
鏡『……あ…』
姉さんが絶叫する。
私は……立ちすくむことしかできなかった。
父さんの血が母さんに掛かる。
…母さんの白い肌に、赤い血は凄く映えるなぁ。
なんて事をぼんやりと思う余裕がある自分を嘲笑う。
…？母さんが眉根を寄せた。
鈴「鏡花ｧｧｧｧｯｯｯ!!!この、死んだ暗殺者は……血液を媒介に身体操作をする異能だｯｯｯ!!!!」
鏡『……え？』
母さんが何かを決意したような顔をする。
母「夜叉白雪、鏡花に宿り、娘達を守りなさい」
ドスｯｯｯ!!!!
『「あ”あ”あ”あ”あ”あ”ｯｯｯｯｯｯ!!!!」』
母「往きなさい鈴花、鏡花……母は……いつでも傍に……」
最期の最期、母さんは晴れやかに笑った気がした。
え？夜叉白雪は私の異能で……？私の異能が暴走したんじゃないの？
鏡花は誰かに呼ばれた気がして目を開けた。…すると、
与「目が覚めたかい？」
私はベッドに寝ていて、蝶の髪留めをした女の人がいた。
しばらく待つと、虎の彼と長髪眼鏡さん(国木田君の事)が入ってきた｡私が『橘堂に行く』と言うとすんなり連れて行ってくれた。
湯豆腐を食べていると……
ﾊﾞｧｧｧｱｧｱﾝｯｯ!!!!
姉さんが入ってきた｡…え？
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