あまい香り (ページ25)

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貴方side

やまと「おわったぁ〜！」

やまとくんが集中してPCと向き合い始めてから1時間。
私は隣で本を読んでいた。
急に声を上げるからびっくりしてやまとくんの方を見る。

やまと「Aさん、終わりました！行きましょう！」
「お疲れ様〜」

そう言ってやまとくんの目を見ると両手で頬を覆われる。
「可愛すぎるからまだ人見知りしてて！」そう言われ、
あららと、やまとくんの鼻をツンと触って「早くいこ〜」と立ち上がる。

やまと「ボーン！俺ら出るからー！おつかれー」
「お邪魔しました。」
ボン「はい！またいつでも来てください」

そう言って家を後にした。

やまと「車どこに停めた？」
「あっちにあるコインパだよ〜」

そう言いながらエレベーターを降りてエントランスを出ると、
何やらこちらをチラチラとみている若い女の子が2人。
私たちがそこまで着くと、「やまとくん！」と声をかける。

やまと「なに？出待ち？」
女子「すいません、、会いたくて、、」
「まあまあ。やまとくん行こう。」
やまと「いやダメなもんはダメだよ。」
女子「サインください！」
やまと「いややばい。あげるわけない。」
「まあまあまあ」

そう言いながらやまとくんの背中を押して車まで案内する。
やっぱり事務所に来たのは間違いだったな。と心で思いながらも、まあやまとくんが叩かれなければいいか。
それだけの気持ちで車を停めてるところに着いた。

車に乗りこみ、不機嫌なやまとくんに話しかける。

「やまとくん、出待ちとか盗撮とか多いんだね」
やまと「俺はやめてって言ってるのに…」

そう言って口を尖らせるやまとくんをみてフフっと笑ってしまう。
年下のいい所はどんなところも可愛いところだなぁ。なんて少し思う。

「拗ねてるところ、申し訳ございませんが、久々の2人っきりですね？」

私の言葉に、機嫌を直してニコニコとこちらを向く。
その姿があまりにも可愛くて、こんなことを口にする。

「私たち付き合ってるよね？」
やまと「当たり前じゃん」
「てことは、好きな時に触っていいってこと？」
やまと「そうだね。たとえば、、、、、」

やまとくんはそこまで言うと、運転してる私の横顔にキスをしてきた。

フワフワの優しい唇が軽く頬に触れ、そこから熱を持っていくように、耳まで赤くなってしまった。

そしてやまとくんは言葉を続ける。

「急にこんなことしても大丈夫」