あまい香り (ページ12)

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やまとside

渡そうとする封筒を取り上げ、Aさんに声を掛ける。

やまと「こんな奴にお金なんか渡しちゃだめだよ。」
「でも、このお金で会わなくなれば忘れられるでしょ？」
やまと「俺の言葉、忘れたの？」

そう聞くと首を横に振る。
「じゃあ、これはAさんのもの。」
そう言ってAさんの手を取って、上に封筒を乗せる。

優希「何そっちで話まとまってんの？」
「優希は私といた4年間、私の事好きなんて思ったことないでしょう？」
優希「まあな。お前のいい所は金と家と乳だけだ。」

そう言われたAさんは大粒の涙を流す。
「わかった。でも、貴方に渡すお金はたった今なくなったよ。」
やまと「Aさん、帰りましょう。」

そう声をかけて、Aさんの腰を押すと元彼が俺の肩を掴み「んでだよ！」と言って殴ろうとする。
その瞬間、Aさんが俺の前に立ちはだかり殴られる。

「気が済んだ？もう、関わらないで。」
優希「……」

女を殴ってしまった罪悪感からかそれ以上は手を出してこない。
俺は急いで、Aさんをつれてコンビニに入り、氷とタオルを買ってまた外に出て頬を冷やす。

元彼はいつの間にか居なくなっていた。

「やまとくん、ごめんね。」
やまと「いや、俺が、、、、、守らなきゃいけなかっ、、」
「ガチ泣きじゃん笑」

そう言って自分も泣きながら指で俺の涙を掬いあげてくれる。

やまと「Aさんも…」
「巻き込んでごめんね。」
やまと「俺から巻き込まれに行ったんで」
「着いてきてくれてありがとう」
やまと「アイツのことは忘れられそうですか？」
「当たり前じゃん」

そう言ってニコリと笑ってピースをする。
Aさんは頬の赤みが引いてから俺を車で送ってくれた。