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「なんでキムチ鍋じゃないの?」


「2人が帰ってきた時にこれじゃなかったらまた怒られそうだから」






とりあえず4人で部屋にあがり、渉が作った豆乳鍋を囲む




見慣れたリビングも、雰囲気が違うだけで



初めて入ったあの日よりも緊張している自分に驚いている






「んま!やっぱワッターの作る飯は美味いよ!」






こんな空気の中、能天気にバクバク食べるニカ



腕を組みながら、俺を睨む佐藤さん



相向かいで目を合わせられない俺



その隣で机に肘付きながら俺達の様子を眺める渉









傍から見たら異様な光景だ









「太輔、いつからだ。どこで出会った」


「…初めて会ったのは、学校の屋上で、付き合い始めたのは、夏ぐらい」


「夏ってお前、女の子たちから金貰ってた時期にAと付き合ってたのか!?」


「ちげぇよ!」


「こいつ、Aちゃんの付き合う為に女全員切ったんだよ」








渉の一言に、言葉を詰まらせる佐藤さん







「だ、だとしても!交際は認めん!!俺の可愛い娘を、大事な娘を太輔なんかに渡すもんか!!!」






机を思いっきり叩きながら立ち上がり、冷蔵庫の中から缶ビールを取り出し一気飲みした










「だってよAちゃん。どうする?」





渉が自分の携帯に呼びかける







「え…渉、お前今なんて」


「ごめん。これ、カナと繋がってる」








携帯を指さして真顔で答えた渉






「Aちゃん、しばらく私の家で預かるから!太輔とのこと認めないと一生家帰らないって!」








電話越しに聞こえたカナの怒鳴り声





思いっきり切断された電話の音






鍋が煮たる音が響き











佐藤さんは冷蔵庫に体重を預け




そのまま立つ力を失った











ピンポーン────









「A!?」



バッと立ち上がり玄関まで走り出す佐藤さん













ガラガラッ!



「A!!」



「うお!?え、何やってんの?」



「…宏光かよ」











玄関では何も知らない北山が、勢い余って抱きついた佐藤さんを支えながら俺たちを見ていた









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よこざわ(プロフ) - アヤさん» そう言っていただけて光栄です(涙)更新頻度遅くなるかと思いますが、気長に完結まで待っていただけると幸いです! (2022年10月10日 2時) (レス) id: 9a6785ae4e (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 大好きなお話だったので、更新再開嬉しいです。 (2022年10月9日 23時) (レス) @page13 id: 7edd60c260 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よこざわ | 作成日時:2021年8月23日 20時

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