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先輩の背中を押しながら部屋を出ていった宮田先生









2人きりだけの空間




久しぶりで少し緊張する







その証拠に、お互い目が合わない













「傷、こんなに…」





目が合わせられない代わりに


目のやり場が全て傷に向く






「別に、大したことじゃねえよ」


「大したことなくないよ。座って?」


「お前って保健委員だったの?」


「うん。あまりやることないんだけどね」








大してやることのない保健委員の仕事


1度だけ体育で怪我した同級生の手当を宮田先生の代わりにしたことがあった







手際がいいねと声をかけてくれた先生のこと




未だに優しく脳に響く









「やっぱ、Aの方がいい」


「え?」


「手当、カナにしてもらうより、Aの方が早く治るんだよ」


「そんな、大袈裟だよ」






私に会ってない間、どれだけ傷つけてしまったんだろう







「ごめん…ごめんね?私のせいで、傷つけて、ごめんっ…」







言葉がつまる



自分の弱さがこんなにも大切な人を傷つけていた





あの頃から何も変わってない私




強くなったって勘違いしてた




すごく惨めに感じた










「俺が、Aのそばにいたからだろ?俺がそばにいなければ、周りからいじめられることもなかっただろ?」







太輔くんの言葉に、思いっきり首を横に振る







「そんなことない、私は、太輔くんがいたから、強くなろうって思えたんだよ?」









絆創膏を貼る手を止め、自分の掌を強く握りしめた










「私ねっ」








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よこざわ(プロフ) - アヤさん» そう言っていただけて光栄です(涙)更新頻度遅くなるかと思いますが、気長に完結まで待っていただけると幸いです! (2022年10月10日 2時) (レス) id: 9a6785ae4e (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 大好きなお話だったので、更新再開嬉しいです。 (2022年10月9日 23時) (レス) @page13 id: 7edd60c260 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よこざわ | 作成日時:2021年8月23日 20時

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