69 ページ19
.
「ひっさびさに…暴れたなあ…」
背中から聞こえたニカの声
息を整えながら、鼻で笑う渉
雨の中走り出したカナを引き止めて
指定された倉庫に3人で向かうと
かなりの人数が待ち構えていて、奴らと派手にやりやった
「お前を一生傷つけないって決めてんだよ!」
私もAちゃんを傷つけたやつが許せないのと
俺らと一緒にやり合おうとしていたカナに渉が投げかけた言葉
その一言で、さっきまで言うことを聞かなかったカナが
素直に立ち止まったんだ
すっげえかっけえって思った
これが、渉なりのカナの守り方なんだって
「…腹減った。もう1時?ワッター、飯作ってー」
「こんな時まで飯の話かよ。相変わらずだな」
そんな話をしながら携帯を開くと
珍しく北山からメッセージが届いていた
━━終わったら戻ってこい。それまで俺がいるから。Aちゃんの目が覚めるまでに絶対片付けろ
「なになに?ミツ?Aちゃん大丈夫そ?」
ニカが俺の携帯の画面を覗き込んでそう言った
「太輔、早くAちゃんの所行った方がいいぞ?」
渉が立ち上がって
北山のメッセージに興味津々なニカを引き取った
「見つけたんだろ?お前なりの守り方」
早く行かないと北山に取られるぞ
半分真剣な口調で言う渉
渉が発する言葉の意味を組み取れずに悩むニカ
「わりぃ。先行くわ」
渉なりの、俺の背中の押し方
なんだ。渉も気づいてたんかよ。北山の気持ち。
あいつもあいつなりに、俺に気を使って気持ちを隠そうとしてたみたいだけど
Aを見る目が他の奴らと明らかに違っていた
なんだかんだ隣にいたからこそ分かる
あいつから溢れ出る想いに、正直揺らいでたんだ
このまま北山に預けた方が、Aは笑顔で過ごせるんじゃいかって
俺から離れた方がってそう思った
けど思えば思うほど
誰かに笑顔を向けるAを見ていたくない思いが
俺の未熟な決心を消し去る
あんなに降っていた雨も上がって
分厚い雲から微かに照らす太陽の下
Aの元へ向かう速度が上がった
.
176人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よこざわ(プロフ) - アヤさん» そう言っていただけて光栄です(涙)更新頻度遅くなるかと思いますが、気長に完結まで待っていただけると幸いです! (2022年10月10日 2時) (レス) id: 9a6785ae4e (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 大好きなお話だったので、更新再開嬉しいです。 (2022年10月9日 23時) (レス) @page13 id: 7edd60c260 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よこざわ | 作成日時:2021年8月23日 20時