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「Aちゃん、学校でいじめられてたって」
「だからそれは」
「でも太輔のせいだなんて一言も言ってなかった!」
元々静かであるべきこの空間に、やっと窓を叩く雨の音が聞こえ出す
「ずっと、自分が弱いからだって、最初からこうなる運命だったって、この間話してくれた」
「カナ、Aちゃんに会ったの?」
「この間、Aちゃんが押されて転んだところに通り掛かって、その時聞いた」
「なんだそれ…なんで言わなかったんだよ」
「太輔には黙っててって言われたの。その時いた奴らは私が絞めといたから安心して。ただ…Aちゃんを苦しめてるのアイツらだけじゃないと思う」
「え、それどうゆうこと?」
「アイツらはAちゃんを怪我させることしかしない。けど、この間持ってたAちゃんの鞄の中、ボロボロの教科書とか入ってた…アイツらがAちゃんやってたことは充分幼稚な事だけど、あんな小学生じみたようなこと…するような奴らじゃない」
「他って、誰がいるの?」
「それは…」
その時、ドアが開いて
息を切らした北山がAの鞄を掴んで立っていた
「ありがと。……ってその手!どうしたの!?」
奥の部屋からちょうど戻ってきた宮田が
慌てて北山の元へ駆け寄り手を掴む
掴まれていた手には
大量の画鋲と刃物の破片が握られていて赤くに染まっていた
「うわ!ミツなんでそんな血だらけなの!?」
ニカも宮田につられて北山の元へ駆け寄る
北山は無言で宮田に鞄を渡すと俺らの元に歩いてきた
「Aちゃんの引き出しの中に、入ってた」
切り傷だらけの手のひら
これも、あいつらがやったことなのか?
「ごめん。俺のせいで、こんな事に」
「…は?」
「え、ミツ、どうゆうこと?」
「…さっき、Aちゃんのクラスに鞄取り入ったら、なんかAちゃんの机の様子だけおかしくて、中覗いたらこんなの入ってて、他の奴らに聞き出したら、全部、俺とAちゃんの事を見てた奴から指示されてたって」
「…なんだそれ」
「ニカん家2人で向かってる所とか見て、付き合ってるのかって、勘違いされてたみたいで…ほんと、ごめん」
北山が、深々と俺に頭を下げる
もう何がAを傷つけているのかさっぱり分からなくなった
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よこざわ(プロフ) - アヤさん» そう言っていただけて光栄です(涙)更新頻度遅くなるかと思いますが、気長に完結まで待っていただけると幸いです! (2022年10月10日 2時) (レス) id: 9a6785ae4e (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 大好きなお話だったので、更新再開嬉しいです。 (2022年10月9日 23時) (レス) @page13 id: 7edd60c260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よこざわ | 作成日時:2021年8月23日 20時