中距離電車 2 (ページ3)

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君との距離53センチページ3

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「キャーーー！！！！」

近くで誰かの叫ぶ声が聞こえて

何人かがこっちに向かって走ってくる

「兄ちゃん！
そっちはあぶねえぞ！！！逃げろ！！！」

誰かに声をかけられたけど

逆にその言葉が俺の足を瞬く間に速くしていく

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ガシャン────

「ハア、ハア、ハア、、こ、来ないで！！！」

この道を出ればすぐ公園だってところで

自転車から転げ落ちて怯えて叫ぶ

制服をきたAがいた

目線の先に見えるのは

血走った目で血だらけの包丁を握った男だった

「A！！！！」

思わず叫んでしまった声と同時に

「う、うわああああ！！！！」

って叫びながら男がAに向かって走り出した

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無我夢中だった

無我夢中でAに向かって俺も走り出し

男から庇うように自分の身を投げ出して目をつぶった

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「うッ.......」

痛くも痒くもない.......

ゆっくり目を開けると

「.......え？」

倒れていたはずのAがいなくて

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「ハア、ハア、ハア、」

背後から聞こえる声に振り返ると

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「A！？」

スーツを着た

俺が知る28のAだった

「待っててって、、言ったのに、、」

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おい！何やってんだ！

そう叫ぶ警察官とパトカーのサイレン

男が捕らえられたと同時に

崩れ落ちるように

Aが俺へ向かって倒れ込んできた

「なんで.......お前.......」

「でも、、良かった、、間に合った、、」

そう言って俺の腕の中で微笑んだ

「なんだよ間に合ったって.......
どうゆう事だよなあ！！！！
てか救急車.......救急車呼ばなくちゃ」

ポケットから携帯を取り出そうとすると

赤く染った手で弱い力で止められる

「意味ないよ、、意味、、ないから、、」

「A.......？」

「ひろ、、、これは夢だよ、、全部全部、、
ひろの夢だから、、安心して、、生きてね、、？」

その言葉を俺だけに封じ込めるように

俺の涙を拭き取って口を冷たい唇で塞がれた

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その途端

目の前が真っ暗になった

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