君との距離62センチ ページ12
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ガラガラガラ──────
ドアが空いた音と共に
「やっと見つけた!」
女性の声が店に響いた
その人は走ってきたのか
酸欠状態で
「水。とりあえず水ください」
おっちゃんにそうせがんだ
慌てておっちゃんが持ってきた水を
一気に飲み干すと、
脱力したようにカウンターに体重を預けていた
「姉ちゃん。うちまだ営業時間外で」
「分かってる。分かってます。
あなたこの時代の監視官でしょ?」
「…もしかして、あんた」
おっちゃんが女性を驚いた顔でみると、
女性は俺を見て指さした
「あなたね!あなたが北山宏光!」
「…え」
「相変わらず可愛い顔してるわねえ!
何年経っても変わらないわ!」
俺より少し年上っぽい女性は
すぐ様俺の前に立ち何かに納得したような顔をした
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「その顔は、Aちゃん
ちゃんと使命をやり遂げたのね」
「…Aの事、知ってんですか?」
「当たり前よ。私はAちゃんの上司よ?」
Aの……上司………?
「私がAちゃんを出版社にスカウトしたの。
彼女が高校生の時、
たまたま見たネットのまとめサイトに映ってて、
一緒にアメリカに行って
過去を変える手伝いをしてくれないかって」
「なんでまた…こんな面倒な事を…」
「私も焦ってたのよ。
自分がぜんぜん過去に戻れる試験に受からなくて、
ほら、現状維持のまま戻る方が
それなりに試験大変じゃない?」
そう言うと、俺の隣に座った
「私も、新しい未来を作りたくて必死だった。
どこから立ち直らせればいいのかって
必死だった時に、Aちゃんに出会ったの。
頭も良いし、きっとこの子なら
やってくれると思って」
ほんとに変えてくれちゃったと
涙を貯めながら話してくれた
「Aちゃんからあなたにこれ預かったの」
そう言われ渡されたのは1つの封筒
震えながら開けると
1枚の紙に文字がビッシリ詰まっていた
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3人キスマイ大好きです。 - 北山宏光君は頭賢い。大学もちゃんと行ってたし頭の回転も早い。大好きです。ずーっと大好きです(o^o^o) (5月15日 22時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よこざわ | 作成日時:2020年11月8日 0時