松55つ。 ページ22
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カラ松「そう、落ち込むなよ」
Aが倒れてから、おそ松兄さんはずっと後悔しているようだった。
おそ松「いや、俺のせいなんだ…」
カラ松「兄さんのせいじゃない。
いつかは記憶が戻るってわかってたんだ。
ただそれが、遅いか速いかってだけの話だ」
そうは言うものの、俺も怖い。
Aは目が覚めたらどうなるのかが心配だ。
『・・・んっ』
緊迫した空気が流れる。
ゆっくりと目を開けるA。
『・・・だれ』
記憶が消えているのだろうか。
そっと、手を伸ばす。
『さっ、触らないでっ…』
怯えたような表情。
おそ松「おそ松、お前の兄ちゃんだよ」
『来ないで…』
それは、紛れもなく拒絶であった。
カラ松「大丈夫」
俺は震えるAを抱きしめる。
『わかんない、わかんない。
お母さんとお父さんは、どこ?
私で実験するの、楽しい?
兄さん、どこにいるの…?』
だんだんと呼吸がはやくなる。
カラ松「落ち着け。
俺たちはここにいる」
俺の焦りも高まり続ける。
『痛い、痛い、痛い…』
頭を抱えだす。
カラ松「A、しっかりしろ!!」
『あぁ、、』
苦しむAに俺の声はまったく届かない。
『いやだ、いやっ…!!』
ぷつり、と音が聞こえた。
抱きしめた小さな体から力が抜ける。
おそ松「デカパン博士に貰った、鎮静剤」
もしも、の時のために貰った。
カラ松「・・・思った以上にキツイ」
予想以上に手のつけようがなかった。
おそ松「あぁ、そうだな…」
心が苦しくなった。
おそ松「お前らも、こいよ」
おそ松兄さんがそう言えば、なんとも言えない表情をしたbrother達が部屋へと入ってきた。
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milk - 読みながら泣いてました…!!とても感動する作品でした。完結の仕方もとても素晴らしかったです!!素晴らしい作品をありがとうございました。 (2022年8月23日 10時) (レス) @page32 id: 1d931b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
おそ松推し - 名前ちゃんの辛い日々と6つ子の優しさに、思わず泣いてしまいました! (2021年11月13日 13時) (レス) @page32 id: ba5dad3d4c (このIDを非表示/違反報告)
カラ松girl - あ、気づいたら完結してる…うぅ…終わっちゃった…カラ松推しで「カラなんとか」って初めてみたとき吹きましたwwww推しのはずが名前覚えてなかったと思うとwww面白かったです! (2021年8月11日 20時) (レス) id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
Sansの河(プロフ) - 感動して思わず泣いてしまいました!(T ^ T)こんなに素晴らしい話を読んだのは久しぶりです……この小説に出会えてよかった。ありがとうございました!!! (2019年3月20日 10時) (レス) id: c3d69dd7c4 (このIDを非表示/違反報告)
いっちー - めっちゃ泣きましたその国語力分けてください笑これからも頑張ってください (2018年9月4日 6時) (レス) id: 4801f1c9b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渡狸カルタ | 作成日時:2016年4月26日 0時