【おそ松さん】カラなんとかに拾ってもらった。2

松45つ。 ページ12

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少女の記憶は消えた。









自分の名前さえも忘れた。









阿木は、安心した。









これなら、自分でも面倒を見ることができる。









それでも、そううまくはいかなかった。









何日か経つと、少女の記憶は徐々に戻ってくる。









記憶が戻り始めるときが一番厄介だった。









今と過去を区別することができず、暴れる。









阿木はそうなるたびに少女の記憶を消した。









記憶が戻る間隔が狭まれば、薬の研究をした。









もっと強力な薬を開発して、一生記憶が戻らないように。









なぜここまでしているのか、阿木自身にもわからなくなっていた。









気づけば阿木は、少女を被検体と呼んでいた。









記憶を消す薬を作り、実験することが楽しいと思うようになっていた。









少女が研究所に来てから6年。









少女が15歳の時。









阿木の異変に気付いた内部のものが警察に事情を説明し、黒間研究所はなくなった。









それでも、少女の身体は薬の副作用によって変わってしまっていた。









身体は成長しなくなっていた。









薬を使わなくても、少女の記憶は1日ごとに消えてしまうようになってしまった。









そして、事件から6年後、少女はまた新たな人に引き取られる。









その人物こそが、デカパン。









そして現在に至る。









少女の両親が誰に消されたのか、それを知る者はいない。









ましてや、それが裏社会の人だなんて。









この事件は迷宮入りした。








少女は、天涯孤独になった。









これが少女、現Aの過去だ。

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