閑話休題 ページ11
「思ったんですが」
「うん?」
「淳弥さん、きのこ苦手なんですよね?」
「そうだね。でもエノキは大丈夫だよ。それ以外は全然」
「どうして私だけ…苦手克服してるんですか」
「…」
お風呂上がってから。まだ寝るのには早いなと思ってソファに座って録画していたアニメを見る。
彼女の発言はエンディングが流れている最中のもの。
__バレちゃったか。
「Aの偏食があまりにも酷いから手伝ってるんだよ」
「まぁ、そうですけど」
あ、普通に認めた。
「そうだ。私と一緒にきのこ克服しませんか?私もきのこは少し苦手なので」
「やだ」
「…」
「…」
それとこれとは話が違う。
「……子供ですね」
「Aに言われたくないかな!?」
普段こんなに声大きく出さないのに、今日は食い気味で言ってしまった。
「淳弥さん、普段こんな大きい声出します?」
「いや、全然。ボイトレぐらい」
「ムキになってます?」
「全く」
正直、ムキになっている(と思う)。まだまだ幼稚な部分があるんだよな、はぁ。
「…Aには、元気に生きててほしいから。今は大丈夫だと思うけど、これから先が心配で」
これが本音だ。
「!すみません。淳弥さんは、本当に優しい。私頑張りますね」
「うん。俺も頑張って美味しいご飯作るから」
一件落着、になるかと思いきや。
「次はきのこ系にしましょう」
__まだ諦めてなかったか。
「…にんじんにしようかな」
「淳弥さん。ちょっと」
「…」
「なんで目逸らすんですか」
「カボチャもいいなぁ。カボチャコロッケも捨てがたい」
「ねぇ、“榎木”さん」
「呼び方」
「そういう時だけに反応するのずるいよ」
「あははっ」
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作者名:のん | 作成日時:2023年3月11日 19時