検索窓
今日:3 hit、昨日:20 hit、合計:183,662 hit

38 寂しい? ページ42

最近ふと思うことがある。


…家、こんなに広かったっけ。


と。






あれからここ数日は、姉はマンション探しでほとんど家にいない。そしてご飯を一緒に食べることも少なくなった。

仕事をしながら、ああだこうだと部屋を探して試行錯誤、ドタバタと忙しい様子だ。






姉1人がいないだけ。ただそれだけなのに広く感じる。
そしてこの家は、今までは俺1人が住んでいた場所。


また、元通りになるだけだ。そう言い聞かせるけれどぽっかりと穴が空いた感じがする。何かが物足りないような。






「はぁ…。」






ストン、と力が抜けるようにソファに全体重をかけて座った。






「あ。」






するとその時、テーブルの上に置いてある携帯が鳴った。画面には姉の名前が表示してある。






「もしもし?」

「もしもーし!」






相変わらずテンションが高い。






「どうしたの、姉ちゃん。」

「夕ご飯何がいい?」

「…今日一緒に食べれるの?」

「うん!」






どうやら夕食は何がいいかという電話だった。

久しぶりに2人でご飯が食べれると思うと、顔がニヤつく。ここに姉がいなくて良かった。






「じゃあハンバーグ。」

「わかった!」

「一緒に作るからね。」

「んふふっ。そうだね!一緒に作ろう!」






向こうもちょっぴり嬉しそうな感じがして、そのような顔をしているのだろうと想像出来る。


姉は随分と料理が上手くなった。全然出来なかったときよりも。

でも俺の方が上手いのは変わらない。ここは譲れない。








 

“Aの決めたことには何も言わない”と言ったのはどこのどいつだ。そう、自分だ。

本人が決めたことに首は突っ込まない。





 
___だから今更寂しいだなんて言ったって、いい迷惑だ。

39 1人暮らしするってよ→←37 思い返せば



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (327 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
791人がお気に入り
設定タグ:男性声優 , 声優 , 榎木淳弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のん | 作成日時:2021年10月17日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。