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35 本音と嘘と ページ39

「おれは、ねえちゃんに…たよられるのがうれしくて…っ。」

「うん。」

「…いっしょにすむってなったときも、すごくうれしかった。」

「うん。」






全然知らなかった、わからなかった弟の本音。

お酒のおかげで聞けた本音。

これはお酒に感謝すべきなのだろうか。お酒の力は凄い。



ふふっ、と私は短く笑う。






「ありがとう。本当にありがとう。」






また、優しく背を撫でる。






「もう本当、お姉ちゃん失格だなぁ…。」






あぁ泣いている。
微かに見えた淳弥の表情が幼く見えた。








 



 

無事、淳弥の部屋のベッドへ運ぶことが出来た。

一言、スースーと眠っている弟に声をかけて部屋を出た後。






「あ!」






リビングへ行き、携帯を手に取ってSNSを見ると大事なことを忘れていた。






「“ただ好き”、今日だった!呟くの忘れてた…。」






そう。姉弟揃って出演している作品のテレビ放送が今日で、いつも呟いているのだが、忘れていたのだ。









 
榎木A @enoeno__ki

うわあああああごめんなさい!!
ただ好き、4話ご覧になりましたか!?
呟きが遅くなってすみません💦🙇‍♀️

♻︎693 ♡9103








 

ふぅ、と一言ツイートをし、様子を見てみる。









 
@XXX
大丈夫ですよ!!👍👍


@XXX
どうしたのかな…
今日呟きないなーって不安だったので…


@XXX
お疲れ様です!!
毎週毎週呟きもしてくださって本当に感謝です。
ゆっくり休んでくださいね?🥺💦


@XXX
榎木姉弟揃って通知来なかったので心配しました😭








 

いつもの呟きがないことで不安に思っていたファンがたくさんで驚きだった。

私の呟きを楽しみにしている人が1人でもいるだけで嬉しいものだ。



そして私だけではなく、淳弥の心配をしているファンもたくさん。向こうもしていなかったみたいだ。






「ちょっと弟とトラブル?みたいなのがあったんですよーって言えないよね。」

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作者名:のん | 作成日時:2021年10月17日 10時

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