04 正座 ページ4
家で正座をしている。
「アパートの取り壊しとか初めて聞いたんだけど。」
「はい。」
そう、今私は弟から説教みたいなものを受けている。
弟の顔を見たいけれど怖くてずっと床に視線を向けている。
「なんでこの前何も言わなかったの。」
あの時はただただ“一緒に住む”ということを言ってアピールをした。
そして淳弥から「どうして？」と聞かれたけれど、「それにはちょっと事情があって…」と誤魔化したのだ。
「お、面白い理由を考えようかなぁって…。」
ちら。ちらり。
そーっと顔を上げて淳弥の様子を見る。
すっごく睨んでらっしゃる…。
「そ、そんなに睨まなくても…。それに対しては本当にごめん。」
「まあいいけど。」
はぁ、と1回溜め息をした弟。
「1人暮らしに戻る予定は？」
「ないです…。」
大変だ。1人暮らしは。
もうこの歳で本当に駄目だということはわかっている。家事が全然出来ないことに関して。
「あ、布団とかは今度の休みに買いに行くからその間は私はソファで寝る！」
と、言えば淳弥は少し何かを考える様子を見せる。
「いい。俺がソファで寝る。…今度の休み、一緒に買いに行こ。」
こういうところ、本当に優しい。
「淳弥…！」
「うわっ抱きつくな近い！」
いてて、と痺れた足にはお構いなく立ち上がって抱きつく。
しかしぐいっと体を押されて離された。
「頼りになるね弟くん。」
「頼りにならないね姉ちゃん。」
姉ちゃん…？
「ね、姉ちゃん…！久しぶりに聞いた！姉ちゃん呼び良い…！」
昔はそう呼んでくれることがほとんどだったけれど、最近は名前で呼ばれることが多い。久しぶりだ、本当に。
「変態。」
「ちょ。」
私に対してちょっと口が悪いところがあるけれど、そこら辺は照れ隠しなのかなと勝手に思っている。
_____結局こうなるんだ。
「ありがとうね、淳弥。」
「…うん。」
姉は俺のことを頼りすぎている。
俺は姉のことを甘やかしすぎている。
榎木A @enoeno__ki
次のラジオは弟である榎木淳弥くんが来てくれますよ〜！
楽しみですね！
♻︎8909 ♡2.8万
榎木淳弥 @enojunjunjun
呼ばれました。
♻︎9031 ♡2.9万
@XXX
楽しみ☺️☺️
@XXX
呼ばれました笑
@XXX
榎木姉弟尊い…
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作者名：のん
| 作成日時：2021年10月17日 10時
