10 寝る時 ページ10
私たちは一緒にいつも寝るけれど、ちょっと特殊である。
パターンその��
彼が先にベッドに入っている時。
もちろん私もその後に入るのだが、彼はいつも内側を向いて横になっている。
つまり私は無意識的に外側を向いて寝ることになる。
「おやすみ、淳弥くん。」
「おやすみ。」
と、言って横になるが、
「っ…ち、ちょっと…。」
「何。」
「近い。」
「知ってる。」
「…。」
後ろから彼の腕がのびて私のお腹周りにまわし、ぎゅっとするのだ。
とりあえず近い。
これはもう何回かあるので慣れてしまった。
____ここまでは平和である。
「Aのお腹、柔らかいよね。」
「んっ…！？や、やめて…。」
腕をまわしたことをいいことに、パジャマの中に手を入れてお腹をいじられる。
彼のこういう行動があるから、次の日は起きれないのだ(原因その��)
「やめてと言ったらやめて。」
「Aの反応が良くてついついやっちゃうのは仕方ないでしょ。」
「…。」
「あ待ってごめんごめんなさいAのそんな冷たい目見たくなかったよ！？」
朝からこのように喧嘩のようなことをするから遅刻するのだ(原因その��)
パターンその��
疲れて私が先にベッドにいる時。
内側を向いて横になっていた。
すると彼は、もちろん内側を向いていた。
私は目を閉じていたが、何やら視線を感じる。
片目をチラリと開けたら、
「まだ寝ないの？」
「なんでずっと見ているの。」
「可愛いから。」
「…。」
彼がずっとガン見していた。視線の犯人はこれである。
更に彼は私の手を握っていた。
私が外側を向こうとすることがバレているのか、その握りしめた手の力が強まる。
「淳弥くん、早く寝てください。」
「もう少し。」
「…私もう寝るからね。」
「うん、おやすみ。」
「おやすみ。」
言っても聞かないので、そのまま私は寝ることにした。
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作者名：のん
| 作成日時：2021年8月15日 19時
